多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

大浴場問題で話題のレジオネラ菌。どんな健康被害があるの?

福岡の旅館で大浴場の湯を年に2回くらいしか入れ替えておらず、塩素の消毒もしていなかったこの大浴場の湯から、基準値の最大3,700倍のレジオネラ菌が検出されたことが報じられました。

その後も各地の温泉や老人福祉施設から、基準値を超えるレジオネラ菌が検出されたことが次々と明らかになっています。

この「レジオネラ菌」とはどういった菌で、健康にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

3月7日放送のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、東京薬科大学 生命科学部 生命医科学科准教授の新崎恒平先生に伺いました。

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レジオネラ菌の害とは

レジオネラ菌は、自然界のどこにでもいる常在菌のひとつとのこと。
どんなところにいるのでしょうか?

新崎先生「通常だと河川や土壌、いわゆる自然界に普通にいる菌です。
その時人に悪さをすることはないですが、菌で汚染された水源が人の環境に入り込むことによって、人に悪さをしてしまう菌になります」

感染すると、どのような症状が起こるのでしょう?

新崎先生「レジオネラ菌に感染すると、肺炎が起こります。その後炎症が広がって、結局、全身性の病気になります。

最終的にはレジオネラ症というところまで病気が進むと、全身性の疾患にまで及びます。
レジオネラ症まで病気が進むと、致死率は30%まで上がります。大変危ない病気です」

感染のルートは?

常在菌ということは、お風呂場、キッチン、洗濯機のあたりには普通にいて、掃除をしないとぬめりが出てきます。レジオネラ菌はそういった場所で繁殖するそうです。

「一番リスクが高いのは温泉」と話す新崎先生。

新崎先生「レジオネラ菌は自然界で常在的に生きているので、それを塩素も入ってない、より繁殖しやすい状態にすると、より注意が必要になると思います」

実は新崎先生によれば、飲んでも感染することはあまりないそうです。
では、レジオネラ菌はどのように人間の身体に入って感染するのでしょうか?

新崎先生「ジオネラ菌で汚染された水のお風呂に入ります。シャワーを浴びたりすると、水は跳ね返り、細かい霧状のものになります。

これを『エアロゾル』と言います。その中にレジオネラ菌が含まれています。

それを呼吸とともに吸い込むと、肺に到達して肺炎になるというのが感染のスタートになります」

予防法と治療法

感染を防ぐにはどうすればいいでしょうか?

新崎先生「洗浄です。温泉であれば水のパイプをきれいにする。塩素を定期的に加えて、確実に除菌をすることが必要不可欠です」

これは家の風呂でもトイレでも洗濯機でも同じで、ぬめりがないようにしておくことが大事だそうです。

では、感染後の治療はどのような方法があるのでしょうか?

新崎先生「一般的な菌なので抗生物質で治療できます。ただあまりに状態が悪くなってしまったらそれは大変です」

早めの発見と早めの治療が肝心とのことです。
最悪の場合は死にいたるレジオネラ菌ですが、常識的に掃除、除菌をしていればそれほど怖れることはないようです。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年03月07日07時20分~抜粋

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