多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

とちおとめを超えるイチゴ!?「とちあいか」がこれから来る!

イチゴのスイーツが続々と登場している時期ですが、イチゴそのものが品種改良を重ねて年々おいしくなってきています。

「あまおう」など様々なブランドが並ぶ中、栃木県が苦労を重ねて「とちあいか」という品種のイチゴを開発しました。

3月6日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、栃木県農業試験場いちご研究所特別研究員の松本貴行さんに話を伺いました。

[この番組の画像一覧を見る]

とちあいかの特徴

実はイチゴの生産量日本一を誇る栃木県。中でも「とちおとめ」で有名ですが、この「とちあいか」はどのようなイチゴなのでしょうか?

松本さん「従来『とちおとめ』というのが主力で作られているんですけれども、それに比べて1回りから2回りぐらい大きくなります。
酸味が少ないので甘さが際立つというのが、この品種の特徴になります。

形はきれいな円錐形が多いんですけど、下が若干窪んでますので、縦に切ると断面がハート型で非常にかわいらしいということになります」

「とちおとめ」が重さ16gぐらいなのに対して、「とちあいか」は20g。
大きい上に断面がハート型となると、スイーツに使うとかなり見栄えが良くなりそうです。

とちあいかのココがスゴい

すごく労力や費用がかかると生産者の方が大変ですが、「とちあいか」は作りやすいものなのでしょうか?

松本さん「まず、とちおとめに比べて収穫量がおおよそ1.3倍多いということで、同じ面積で作られていても収穫量が多いことがわかっています。

それと収穫時期が早いというのも、イチゴ農家にとって非常に有利でして、11月に入ると収穫ができるというのも大きな特徴ですね。

それから果実が結構しっかりしてますので、長距離輸送や輸出にも有利なんじゃないかと見てます。
流通で発生する傷み、荷傷みがしにくいということです。

あと、とちおとめに比べると病気がしにくい品種になっておりまして、栽培しやすいというのも栽培者にとって大きなメリットです」

おいしいだけではなく、作る側にとってもメリットの多い、優秀なイチゴのようです。

実際のお味は…

スタジオには実際に「とちあいか」が運ばれてきました。

パーソナリティの山本衿奈は「甘~い!練乳とか全然いらずに、本当にイチゴ本来の甘味と風味が引き立っていておいしい。いくらでも食べられますね」と絶賛。

2018年に品種が固定され、現在品種登録を出願している段階だそうですが、すごいイチゴが誕生するまで、どのように開発してきたのでしょうか?

松本さん「毎年新しい品種を生み出すのに1万本ぐらい種類を作るんですよ。
それを研究員6人が食べて、おいしいものを残していくというのが1年目の大きな作業になります。
研究員は1年間で4,000個食べると言われています」

97%は失敗

とにかくおいしいイチゴを見つけるのに食べていくという仕事で、イチゴ好きの方からするとうらやましいと思われるかもしれませんが、実はそうでもないようです。

松本さん「2年目に残すのが約3%ぐらいなので、97%は食べてもおいしくないんです(笑)
仕事なので食べてますということですね」

地道な努力の上で新しいイチゴが誕生しているわけですね。

さらに、おいしいだけではダメなのだそうです。

松本さん「どういう特徴があるのか、味だけではやはり評価されませんので、今までのとちおとめやスカイベリーなど既存の品種と同じではいけないんですね。
違った味の特徴があるのが重要だと思います。

あとは流通に耐えられるしっかりとした硬さがあること、おいしい品種であっても生産者にとって経営が成り立たないといけませんので、生産性も見ながら選抜していきます。
いろんな角度で調査を行って、品種を見ていくというのが開発になります」

栃木県農業試験場で開発してきたのは53年で10品種、また「とちおとめ」の次に生まれたのが「スカイベリー」ですが、その間に17年もの年月が流れていて、1つの品種を作るのにもかなりの労力がかかっているようです。

栃木県では現在、イチゴの栽培面積の8割ほどで「とちおとめ」が作られていますが、数年後には「とちあいか」に移す計画だそうです。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
この記事をで聴く

2023年03月06日07時22分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報