多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

宇宙飛行士候補者の勤め先で注目「世界銀行」ってどんな銀行?

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、世界銀行上級防災専門官の諏訪理さんら2名を宇宙飛行士候補者として内定したと発表しました。

ここで「世界銀行」の名前に耳なじみのない方も多いでしょう。
世界銀行とはどのような活動をしている銀行なのでしょうか?

3月2日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、世界銀行についてCBC特別解説委員の石塚元章が解説しました。

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世界銀行はなぜできた?

世界銀行という用語について、鉄道ファンの多田しげおは「東海道新幹線の建設でお世話になった」というイメージがあるようです。どういうことでしょうか?

石塚はまず歴史から紐解きます。

世界銀行は第二次世界大戦終結直後の1946年(昭和21年)に設立されましたが、設立にあたっての話し合いは戦時中、すでに行われていました。

アメリカのニューハンプシャー州にあるブレトン・ウッズで、連合国が戦後の経済安定や通貨の安定を目的として設立を考えていました。

戦争が終わっていない段階で、すでに戦後の復興を見据えていたということは、自分たちが勝つ自信があったということでしょうか。

またさかのぼると、世界恐慌によってそれぞれの国が自分の国だけを守ろうと勝手に動いた結果、戦争に発展したという反省に立つ目的もあったようです。

世界銀行とIMF

世界銀行の原資は連合国や加盟国の出資によるものと、世界銀行債というものを国際市場へ発行するものからなります。

最初の目的は戦後復興で、現在は発展途上国が自国の発展のためにお金を借りるということもあります。

戦後、世界銀行とともに国際通貨基金(IMF)を設立していて、これらは両輪と言われています。

これら2つの使い分けはどのようになっているのでしょう?
ざっくり言えばIMFは短期、世界銀行は長期で貸すもので、インフラ整備などにも利用されるそうです。

例えば他国にお金が返済できず経済危機が起きた国に対してはIMF、長期的な戦略でインフラ整備に使う場合は世界銀行ということになります。

多田が思い返した東海道新幹線の建設はインフラ整備であり、世界銀行から長期で借りていて、現在返済は終わっています。

また、東海道新幹線以外にも黒部第四ダムや名神高速道路、東名高速道路。東海地方では愛知用水などにも貸し出されています。

借りた側が貸した側に

世界銀行は特に国の経済規模には関係なく加盟でき、現在は連合国だけではなく加盟国が出資を行っています。

出資額はアメリカが1位で日本が2位。
かつてはかなり貸し出してもらっていましたが、今やたくさん貸し出す側に回っています。

世界銀行が一番最初にお金を貸し出したのはフランスですが、今や出資額が5位となっています。

最近は経済のグローバル化によって、各国の経済に悪い影響を与えているのが世界銀行という意見もあります。
世界銀行にも功罪の両方があるようです。

世界銀行はお金を貸し出すだけではなく、諏訪さんのように防災、教育や保健衛生、環境分野などさまざまな専門家がその国へ行ってバックアップしているという側面もあり、今も発展途上国の発展を助けるのに役立っているようです。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年03月02日07時20分~抜粋

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