多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「前立腺がん」の手術以外の治療方法はどのようなものがある?

専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)のコーナー「健康で生きる」。



2月のテーマは「泌尿器科の病気」です。
22日の放送では大同病院・泌尿器科、主任部長の神谷先生が「PSA検診の結果、高いと言われたら?」について解説します。

泌尿器科の病気で、特に男性特有の病気というと前立腺の病気です。
前立腺がんは男性のがんのトップ、9人に1人が前立腺がんになると言われています。

前回のテーマは手術療法でしたが、今回は「前立腺がんの手術以外の治療方法」について取り上げます。
聞き手は多田しげおです。

[この番組の画像一覧を見る]

放射線療法

多田「前立腺がんの治療で手術以外のものってあるのでしょうか?」

神谷先生「根治治療としてはもう1つ、放射線療法があります。

最近は当院だとIMRTという機械、あるいは陽子線治療というのが、名古屋市にもありますけれども、そのあたりが根治治療ということになります。

前立腺に放射線を当てることで、がんの組織を死滅させるという治療です」

多田「高齢者の方には結構負担になる治療方法になりませんか?」

神谷先生「放射線治療が始まった頃はどうしても放射線は周りの臓器にも当たってしまうことがあって、前立腺だと直腸が近接しているので、直腸に当たることによって直腸からの出血が止まらなくなるということが、少しですがありました。

しかし今はそういったことを回避するために、IMRTは身体の5つの方向から放射線を照射して、前立腺への照射を増やし、他の臓器に当たる放射線の量を極端に減らしています。

それを、さらに当たる分布をコンピュータで計算して、2~3ミリの幅で放射線を当てることができるようになってきています。
そういった技術の進歩で、副作用がなく治療を受けるというふうになっています」

多田「こういったものは日進月歩なんですね」

神谷先生「すごく進歩していますね」

相談できる施設で

多田「薬物療法や、根治治療ができない場合はどうなりますか?」

神谷先生「例えば根治治療をしたけれど再発してしまった場合や、あるいは最初に見つかった時に転移してしまっていて手術ができない場合には薬物療法を行います。

前立腺の場合はホルモン療法という言い方をしていますが、前立腺がんは男性ホルモンの力で大きくなることが分かっているので、男性ホルモンを抑えてやる治療をすると、前立腺がんの成長を抑えることができます。

がんだから抗がん剤ということではなく、まずはホルモン治療で抗がん剤に比べると非常に副作用が少ないので、その治療をしていただくことが多いです」

多田「1つの病気、1つのがんに関してもいろんな、総合的な治療方法があるので、専門医の方と相談していろんな方法を選んでいくというのが現代医療の治療の方法なんですね」

神谷先生「そうですね。前立腺がんは転移をしても比較的進行がゆっくりのことが多いですが、ただ、中には非常に進行が早いものもあります。

そういった場合は、抗がん剤を組み合わせたり、最近は遺伝子治療なども出てきていて、そういったものも必要によっては使うこともあるので、相談できる施設で治療していただくのがいいかなと思います」

今回は大同病院・泌尿器科、主任部長の神谷浩行先生が「前立腺がんの手術以外の治療方法」について解説しました。
(新海 優・Yu Shinkai)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
この記事をで聴く

2023年02月22日08時16分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報