多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

何が見えてくる?縄文土器の底だけを見せる展覧会

茨城県のやや南側にある石岡市には縄文時代の遺跡が数多く存在し、縄文土器も多数出土されています。
その石岡市にあるふるさと歴史館では、この4月まで「底だけ展」というのが開催されています。

底というのは土器の底のこと。いったいなぜ底だけを見せるのでしょうか?

2月16日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、石岡市教育委員会文化振興課の金子悠人さんに電話で話を伺いました。

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縄文土器の底を見せたい

縄文土器はさまざまな博物館で展示されており、それ自体は珍しくありませんが、一方で土器を飾っていると底の部分はなかなか見えないものです。

金子さん「博物館とか展示する時は、どうしても縄文土器は文様とかを中心に、どちらかというと立てた状態で展示されていることが多いかと思います」

なぜ「展示で底を見せよう」という考えが生まれたのでしょうか?

金子さん「我々の中では底を見るといろいろなことがわかるっていうのは前もってわかっていたんですけど、なかなか展示で紹介するというのが今までなかったので。

土器の底部にも残る縄文時代の痕跡を注目していただいたり、土器の新しい見方を知っていただいて、縄文時代に限らず歴史についてもっと興味を持ってもらいたいと思って、企画しました」

土器の底に付いているものは?

では、実際に土器の底には何があるのでしょうか?

金子さん「我々の中では編組製品と呼んでるんですけれど、平たくいえば編み物の跡、今でいうとカゴとかわかりやすいと思うんです。
今のカゴも編み方はさまざまですけど、縄文時代の人々もさまざまな編み方で製品を作ってる、というのが間接的にわかるような資料になります」

編み物の模様が土器の底の部分に付いているというのは、どういう意味なのでしょうか?

金子さん「これには理由がちゃんとあって、土器を作る時に今で言うろくろの代わりに使っていたかどうかはロマンの世界になるんですけど。

おそらく切れ端とか使えなくなっちゃった物を転用して、土器の下に敷いて跡が残っているんじゃないかと思っています」

編み物の跡を付けようと思って付けたわけではないようですが、そんなにクッキリと付いているのでしょうか?

金子さん「時代にもよるんですけれど、縄文時代の中期、5000年前ぐらいは消したりしている跡もあるんですけど、ただ、後期になると残しているような形もあるので」 

網み目以外にも付いているものが

土器に編み物の跡がついているということですが、編み方に進化はあったのでしょうか?

金子さん「我々が今使っているござ目編みとか網代(あじろ)編みとか呼んだりする紋様というのは、すでに出てきています」

では、土器の底で網目以外に付いているものはあるのでしょうか?

金子さん「他には昆虫や植物の種子も石岡市の土器から見つかっています」

ただこれは網目と違って、必ずしも土器の下にあったというわけではないようです。

金子さん「底以外に道具とか口の部分とかでも見つかっているので、どちらかというと粘土とかを練って、縄文土器を作る時に間違って入っちゃったか、縄文人が意識して埋め込んだかわからないですけど」

たまたま混入したのか、飾りの一部として使ったのかはわからないですが、そう考えると土器の底から歴史的なロマンを感じます。
(岡本)
 
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2023年02月16日07時37分~抜粋

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