多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「積雪量」と「降雪量」って何がどう違うの?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)、気象予報士でもある沢朋宏アナウンサーがリスナーの質問に答える「沢君教えて!」のコーナー。

1月27日の放送には、リスナーAさんから「雪が降った時に『積雪量は…』と言ったり『降雪量は…』と言ったりしますけど、どう違うんですか?」というおたよりが寄せられました。

積雪量と降雪量、どちらも報道番組で使用されますが、なぜ2通りの言い方があるのでしょうか?

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予想は「降雪」、ニュースは「積雪」

沢によると、この2通りの言い方がある理由は「降った量=積もる量」にならないから。

ベシャっとした雪はその重みで潰れ気味となりますが、フワフワの雪は綿菓子のように膨らみます。このように雪質の違いが関係しているため、積もる量の予測は大変難しいそうです。

結論はこうです。

沢「予想で言われるのは、“降る雪の量”がほとんどです。結果としてニュースで報じられるのは、“積もった雪の量”です」

日本海側の地域や北海道のように根雪になってしまっている場合は、やはり「積雪」が報じられます。

10cmの雪の降水量は?

積雪量と降雪量についての疑問が解決したところで、続いてはこちらのおたよりです。

「10cm雪が積もった場合、雪の降水量は100mmと考えてもいいんですか?」(Bさん)

雨の場合は「降水量」ですが、雪の場合はどうなのでしょうか?

この質問について「測っているんです」と沢。沢によると、実は雪の場合でも「降水量」と呼ぶそうです。

なぜこの呼び方がメジャーにならないのか?
それは雪の場合は「どれだけ積もったか」がニュースになるからです。

ヒーターで溶かして計測

我々の市民生活においては、雪はやはり降る量よりも積もった量の方が重大なポイントです。

しかし気象学として考えると、「どれだけの降水現象があったのか」という統計は取っておかないとわからなくなってしまいます。そのため、降雪量を降水量に換算しているのです。

その方法はとても単純。降雨量を測る円筒形の機械の中に、ヒーターが仕込んであるのです。

降雨量を測る機械の中に雨が降ってきた場合は、そのまま降雨量を測ることができます。

雪が降ってきた場合は、それをヒーターで溶かして「水分量としては一体何mmの降水量だったのか」と、データとして保存しているというわけです。

「つまり気象学からいったら、雲から何かが落ちてくる。最終的に凍ったまま雪で落ちてくるか、溶けて雨になって落ちてくるかであって。要は『水分としてどれくらい落ちてきたか』が、最終的には大事だということなんですね」と納得の多田しげお。

降水量1mm=降雪量1cm

それでは「〇〇cmの降雪が予想される」といった場合、どのようにその「cm」を予想するのでしょうか。

「降水量1mm=降雪量1cm」くらいとされています。

沢「1mmの降水って、雪にすると1cmになる」

多田「10倍になるわけですか」

沢「膨らむ感じなんですよ」

こう考えると、例えば「愛知県で10cmの雪が予想される」という予報が出た時には、10mmぐらいの降水量が予想される、というわけです。

雪には、降雪量、積雪量、そして雨と同じく降水量もある理由は、「いま何が一番ふさわしいか」で分けているということです。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年01月27日08時04分~抜粋

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