多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「朝焼けがきれいな日は雨が降る」これって本当?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)、気象予報士でもある沢朋宏アナウンサーがリスナーの質問に答える「沢君教えて!」のコーナー。

1月13日の放送にはリスナーAさんから「朝焼けがきれいな日は雨が降るというのは本当ですか?」という質問が寄せられました。

この質問に「半分本当です」と答えた沢。これは一体どういう意味なのでしょうか?

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季節限定の現象?

沢によると「朝焼けがきれいな日は雨が降る」現象は、春と秋のみの季節限定ネタ。冬はこうはならないそうです。

この日、スタジオに入る前に南東の空を見てきたという沢。日の出は7時で、本当にきれいに赤く染まっていたといいます。

この日の予報は雨。「えっ!冬ですけれどもこれ、当たってるっていうことですか?」と驚く多田しげおに、「ただですね、昨日も東の空が赤く染まっておりました」と沢。

多田「そうそう!昨日こそ、本当にきれいな朝焼けでした。今朝も朝焼けで」

沢「なんならば、おとといもきれいに赤く染まっておりました」

多田「確かに今日は朝焼けがきれい。お天気は下り坂、夜には雨が降ってくる。おお、当たってるじゃないか!でも昨日とかおとといを考えると、当たっていないわけですね」

朝焼けがきれいな日が3日続きましたが、その後のお天気は晴れたり雨が降ったりと違いがあります。

ポイントは「移動性高気圧」

「朝焼けがきれいな日は雨が降る」。この現象はなぜ季節限定なのでしょうか。

天気予報の世界では、春と秋に「移動性高気圧」という言葉がよく聞かれます。

多田「3日、4日ごとに、雨と晴れが繰り返されると」

沢「もっと短い周期で切り替わることもあるんですよね」

「夕焼けの次の日は晴れ」。これもよく耳にする言葉です。

沢「移動性高気圧が通っていくときに西が晴れているということは、次の日12時間経って自分が目覚める頃には、その西側の晴れた空気をもたらしている高気圧が私の頭の上にやってくるだろう」

朝に東の空が赤くなる“朝焼け”。東の空が晴れているということは「移動性高気圧はもう私の頭の上から過ぎ去っていってしまった。低気圧があとから追いかけてくるぞ」という意味です。

冬場に毎日朝焼けが見られる理由

移動性高気圧に覆われやすい春や秋は、夜に西が晴れていればあくる日には高気圧がやってきて晴れる。

朝に東が晴れている場合は、よいお天気はもう通り過ぎてしまう、ということです。

冬場は日本海側は曇りが続き、名古屋を含む太平洋側は晴れの日が続きます。このため、冬場は毎日朝焼けが見られるのです。

多田「そうか、毎日朝焼け。当然、夕焼けもきれいなんでしょうね」

沢「雨降るのか晴れるのか、どっちなんだ!」

多田「移動性高気圧ではない、安定した冬場の高気圧の場合は『朝焼けも夕焼けもきれいだな、ずっと晴れてますよ』ということですね」

先人たちの知恵「観天望気」

「朝焼けが雨、夕焼けは翌日晴れ。これは春秋だけの現象」というのは、パソコンや衛星アメダスのデータで観測してわかっていることです。

沢「昔々のなんの情報もない方々が、そういう法則を自然の中から見つけ出すっていうのは。これはすごいことだなと思います」

多田「経験的に『春や秋はこれが当たるなぁ』。それって“元祖天気予報”ですよね」

昔の人たちは過去の実績から「おそらくこういう天気になるだろう」と考えていました。

多田「先人たちの頭の中の方がずっとすごいということですね!」

このように空の様子や生きものの動きから天気を予測することを、気象用語で「観天望気(かんてんぼうき)」といいます。これは天気予報の「元祖中の元祖」です。

「人のオツムの中か、あるいはコンピュータでやってるかの違いだけで、同じことなんですね」と感心した様子の多田でした。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年01月13日07時08分~抜粋

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