多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

身近な「いぼ痔」。原因・症状や治療法について知っておこう。

専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)のコーナー「健康で生きる」。



1月のテーマは「外科・消化器・一般外科の病気」。
11日の放送では大同病院 消化器・一般外科主任部長の渡邉 克隆先生が「肛門の病気」について解説します。

聞き手は多田しげおです。

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肛門の病気の種類と原因

多田「肛門の病気にはどんなものがありますか?」

渡邉先生「肛門疾患の中で、最も多いのが痔核、いわゆる『いぼ痔』です。
痔核は、肛門部の粘膜皮膚の下にある静脈がこぶのように腫れた状態を指します。

肛門の中間辺りにある直腸の粘膜と皮膚の境界を『歯状線』と言いますが、この歯状線より腸側にできたものを内痔核、外側にできたものを外痔核と呼びます。

痔瘻や裂肛は男女で差がありますが、内痔核には性差がありません」

多田「原因はどういったものがありますか?」

渡邉先生「内痔核ができる原因として考えられているのが、肛門部の血管がうっ血して静脈瘤になる、という説です。

もう1つの原因として、肛門管内で内痔核を肛門括約筋に固定している支持組織がゆるむ、という説があります」

どのような症状が?

多田「症状はどうでしょうか?」

渡邉先生「内痔核は、初期症状では痛みを感じることはありません。
そのため、排便時に内痔核が便に当たって出血し、便器が赤くなることで、初めて気付くケースが多いようです。

いぼが大きくなると、いぼ自体が排便時に飛び出してくるようになります。
肛門内から飛び出したいぼは、最初の頃は自然と肛門内に戻りますが、そのうち指で押し込まないと戻らなくなってきます。

さらに症状が悪化すると、排便に関係なくいぼが飛び出した状態になり、粘液や便がしみ出し肛門周辺の皮膚が炎症を起こすようになってきます」

治療法は?

多田「治療方法はどうでしょうか?手術になりますか?」

渡邉先生「内痔核の場合は、実際に手術をする人は10~20%程度です。

診察の結果、症状が軽いと判断された方は、まずは過度なアルコール・刺激物を避ける、適切な量の食物線維や十分な水分の摂取、毎日の適度な運動といった生活習慣の改善、また便秘や下痢を避ける、便意を我慢しない、といった排便習慣の改善と薬物療法による保存的治療を行います」

多田「手術の方法はどのようなものですか?」

渡邉先生「内痔核の手術方法は、痔核を全て切除し、縫い合わせる方法が一般的です。しかし、術後の疼痛が強く、術後出血を起こす可能性もあるため入院による治療が必要です。

また肛門にメスを入れない注射療法『ジオン注射療法(内痔核硬化療法)』もあり、こちらは日帰り手術が可能です」

日帰り手術も可能

多田「最近は日帰り手術が多くなってきていると思っていいのでしょうか?」

渡邉先生「一般のクリニックでも出来ますので、増えてきています」

多田「手術の方法もどんどん進化しているということなのですね」

今回は大同病院 消化器・一般外科主任部長の渡邉先生が「肛門の病気」について解説しました。
(新海 優・Yu Shinkai)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年01月11日08時11分~抜粋

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