専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)のコーナー「健康で生きる」。
12月29日のテーマは「外科・消化器・一般外科の病気」のひとつとして、大同病院消化器・一般外科主任部長の渡邉克隆先生が「大腸がんの転移」について解説します。
聞き手は多田しげおです。
がん治療のポイントは「とにかく諦めないこと」!
男女問わず多いがん
渡邉先生「大腸がんは2021年では男性では、前立腺癌、胃癌についで3位、女性では乳癌についで2位となっています」
大腸がんは男性・女性ともに多いがんだそうです。
さらに、大腸がんから他の臓器へはどのようにして転移していくことが多いんでしょうか?
渡邉先生「大腸がんは結腸と直腸に発生するがんで、良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。
大腸の粘膜に発生した大腸がんは次第に大腸の壁に深く侵入し、やがて大腸の壁の中を流れるリンパ液に乗ってリンパ節転移をしたり、血液の流れに乗って別の臓器に遠隔転移したりします。
大腸がんの転移が、肺や肝臓の腫瘤として先に発見されることもあります」
大腸がんは男性・女性ともに多いがんだそうです。
さらに、大腸がんから他の臓器へはどのようにして転移していくことが多いんでしょうか?
渡邉先生「大腸がんは結腸と直腸に発生するがんで、良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。
大腸の粘膜に発生した大腸がんは次第に大腸の壁に深く侵入し、やがて大腸の壁の中を流れるリンパ液に乗ってリンパ節転移をしたり、血液の流れに乗って別の臓器に遠隔転移したりします。
大腸がんの転移が、肺や肝臓の腫瘤として先に発見されることもあります」
肝臓が最も多い…
どういう臓器に転移しやすいのでしょうか?」
渡邉先生「肝臓が最も多く、その次に肺に転移します。術後5年以内に転移することが多く、多くは血流に乗って転移する血行性転移です」
転移が見つかった場合の治療法は?
渡邉先生「切除が可能であれば、手術で切除します。切除困難であれば全身化学療法で治療します。
手術できない症例でも化学療法で多発している病変が消失したり、縮小し切除可能となることがあるため、諦めないことが大事だと思います」
渡邉先生「肝臓が最も多く、その次に肺に転移します。術後5年以内に転移することが多く、多くは血流に乗って転移する血行性転移です」
転移が見つかった場合の治療法は?
渡邉先生「切除が可能であれば、手術で切除します。切除困難であれば全身化学療法で治療します。
手術できない症例でも化学療法で多発している病変が消失したり、縮小し切除可能となることがあるため、諦めないことが大事だと思います」
最適な治療法を選択
さて、全身化学療法とはどのようなものでしょうか?
「大きく分けてふたつある」という渡邉先生。
渡邉先生「ひとつ目は補助化学療法と言われるものです。
これは、手術で大腸がんがすべて取り切れた場合でも、目に見えないがん細胞が身体の中に残存している場合があります。
それに対する治療で再発率を低下させて、生存率を向上させる目的で行われる化学療法のことです。
リスクのステージ2や、リンパ節転移を伴うステージ3の患者様に施行されます。
手術後の6か月間施行されることが標準です。
点滴投与、また経口の抗がん剤による治療法があります。
現在、遺伝子検査などで患者さんそれぞれに最適な術後補助化学療法を選択する方法が研究されています」
「大きく分けてふたつある」という渡邉先生。
渡邉先生「ひとつ目は補助化学療法と言われるものです。
これは、手術で大腸がんがすべて取り切れた場合でも、目に見えないがん細胞が身体の中に残存している場合があります。
それに対する治療で再発率を低下させて、生存率を向上させる目的で行われる化学療法のことです。
リスクのステージ2や、リンパ節転移を伴うステージ3の患者様に施行されます。
手術後の6か月間施行されることが標準です。
点滴投与、また経口の抗がん剤による治療法があります。
現在、遺伝子検査などで患者さんそれぞれに最適な術後補助化学療法を選択する方法が研究されています」
とにかく諦めないこと
渡邉先生「もうひとつは、発見時に手術の対象となり得ない場合や、切除不能な再発をした場合に施行される化学療法です。
通常は、臓器の機能が良好で日中の半分以上は起きていて、身の回りのことが自分でできる患者さんが化学療法の対象となります。
化学療法は、いくつかの薬剤を併用する『多剤併用療法』が基本となります。
現在の治療ガイドラインでは、これらの化学療法に分子標的治療薬を併用することが標準治療となっています。
分子標的治療薬の併用療法による効果には個人差がありますが、CTスキャンなどの画像上、約60%の患者さんにおいて癌が30%以上縮小します。
また、抗がん剤を受けなかった場合の生存期間の中央値は6か月ですが、受けた場合のそれは約30か月といわれています。
画像上がんが消失する場合や、当初手術が不可能な状態だったにもかかわらず、化学療法後に手術が可能となる場合もありますので、繰り返しますが諦めないことが大事です」
大同病院 消化器・一般外科主任部長の渡邉克隆先生が「大腸がんの転移」について解説しました。
なお次回の「健康で生きる」は、1月11日水曜日の8時10分頃からお送りします。
(新海 優・Yu Shinkai)
通常は、臓器の機能が良好で日中の半分以上は起きていて、身の回りのことが自分でできる患者さんが化学療法の対象となります。
化学療法は、いくつかの薬剤を併用する『多剤併用療法』が基本となります。
現在の治療ガイドラインでは、これらの化学療法に分子標的治療薬を併用することが標準治療となっています。
分子標的治療薬の併用療法による効果には個人差がありますが、CTスキャンなどの画像上、約60%の患者さんにおいて癌が30%以上縮小します。
また、抗がん剤を受けなかった場合の生存期間の中央値は6か月ですが、受けた場合のそれは約30か月といわれています。
画像上がんが消失する場合や、当初手術が不可能な状態だったにもかかわらず、化学療法後に手術が可能となる場合もありますので、繰り返しますが諦めないことが大事です」
大同病院 消化器・一般外科主任部長の渡邉克隆先生が「大腸がんの転移」について解説しました。
なお次回の「健康で生きる」は、1月11日水曜日の8時10分頃からお送りします。
(新海 優・Yu Shinkai)
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