多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

2022年の異常気象を振り返る。キーワードはやはり「地球温暖化」

12月28日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、気象予報士でもある沢朋宏アナウンサーが2022年の天気を振り返りました。

異常気象が続いたこの一年ですが、その原因にはやはり地球温暖化があったようです。

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晴れたら暑い、降ったら土砂降り

今年はこんな1年だったといいます。

沢「天気は晴れの日から雨の日の波がある。この波の上下の振り幅が大きい。晴れたら晴れたで暑い、降ったら降ったでめちゃめちゃ降る。いわゆる異常気象」

季節ごとに細かく振り返っていきましょう。まずは「梅雨」です。

沢「今年は大変な梅雨でしたね。史上初くらい早い梅雨明け」

6月中に異例の早さでいったん梅雨明けの発表がありましたが、その後暑さとともに晴れたと思いきや、7月には雨の日が続きました。
結局9月1日に「梅雨入り・梅雨明け日」を確定する際は、東海地方の梅雨明けは7月23日と平年並みになりました。

2022年は梅雨が2回あった

この「いったんの梅雨明け」について、当時も沢は「明けさせざるを得なかった」と解説していました。

6月25日、26日に群馬県伊勢崎市で6月では史上初となる40℃を記録。7月1日に岐阜県多治見市でも40℃を記録していました。

気象庁としては暑さへの注意喚起をしなければならない状況だったため、早い梅雨明け宣言が必要だったのです。

多田「ある意味ね、2回梅雨が来たという感じだったわけですね」

5月の梅雨と7月の梅雨。2022年は2度の梅雨に見舞われたイメージです。

最も暑かったのは6月下旬!

続いては「夏」。

今年の夏ももちろん暑かったのですが、暑さのピークはなんと6月下旬でした。

愛知県豊田市では7月1日に、豊田市としては史上最高の39.8℃を記録。6月下旬~7月上旬の暑さを、本来の夏であるお盆の時期に上回ることはなかったのです。

とはいえ、6~8月の3か月間の平均気温を計算してみると、「やっぱり今年の夏は暑かったんだという結果になる」といいます。

台風は平年通り

そして「秋」。
今年の台風は、東海地方にはあまり影響はなかったのでイメージは薄いかもしれませんが、発生数は25個。
年間発生数の平均が25.1個なので、ほぼ平年通りの数字です。

沢「台風は襲来を受けてしまうその場所がピンポイントで被害を受ける災害なので。逸れるか当たるかで大違い」

今年も鹿児島や熊本の方々は「史上最も気圧が低いまま上陸するんじゃないか」と恐れられていた台風の直撃を受けています。

台風の影響を受けなかった地域の人からしてみると、「そういえばそんなニュースがあったね」となってしまうのも仕方がありません。

ラニーニャ現象が及ぼす影響

沢によると、今年のような異常気象はやはり「地球温暖化」の影響が大きいといいます。

沢「地球全体の気温が高くなると、空気中に含むことができる(湿度100%になるまでの)水分量がとても多くなるので、一発雨が降るときにはドカーンと降りだす」

多田「ものすごく雨雲が湧きやすいし。例えば台風も…」

沢「強くなりやすい」

昨シーズンの冬から1年以上続いているのが「ラニーニャ現象」。ラニーニャ現象とは、ペルー沖の海水温が普段よりも低くなっている状態です。

去年の元日の名古屋の気温はマイナス2.2℃。翌1月2日はマイナス2.7℃まで下がりました。
実はこれが今年最も寒い日だったのです。

年末年始も大雪の予報

沢「ラニーニャ現象の日本に対する影響の覚え方として、夏が暑くて冬が寒く極端になりやすい」

エルニーニョの時は逆で「冷夏・暖冬」となります。つまり、夏と冬の気温差が小さくなるというわけです。

ラニーニャが1年以上続いているため、1年前のお正月は厳寒。そして6月に40℃という極端な暑さになり、直近1ヶ月では一気に雪が降り寒くなってきています。

気象庁は「今年の冬は寒い」と発表しています。
この冬は各地で大雪が降りましたが、年末年始もこの傾向は続くようです。

平和ならもっと違った1年だった

そして最近の気象には、意外にもロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻が大きく影響していると語る沢。

2021年に「IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)」のレポートで初めて「地球温暖化は人間のせい」という論拠が示されました。
同じく昨年、ノーベル物理学賞を初めて「気象学」が受賞しました。

地球温暖化が科学的に物理的に証明され、いよいよ本気で歩みださなければならないはずだった今年ですが、ロシアとウクライナで紛争開始。

エネルギー問題が一気に大きくなり、「化石燃料を使わないと、電気が持たない」という風潮に世界中がなってしまったのです。

沢「『平和が保たれていれば、今年はもっと違った1年だったはず』と、あとあと振り返られてしまう年になったんじゃないか。2022年が悪い方向に行くターニングポイントになってしまっていたかもしれない。
そうさせないために、2023年でウワーッ!と思いっきり戻してやらんといかん。そういう来年になりそうです」
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年12月28日07時19分~抜粋

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