多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

日本海側の記録的な大雪は「地球温暖化」のせい?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)、気象予報士でもある沢朋宏アナウンサーがリスナーの質問に答える「沢君教えて!」のコーナー。

12月23日の放送には「新潟でまたまたドカ雪。なぜ日本海側はたくさんの雪が降るんですか?」という質問が寄せられました。

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「そこに、山が、あるからだ」

この質問に「そこに、山が、あるからだ」と、登山家のような回答をする沢。

「そこ」というのは、奥羽山脈、中部山岳地帯、中国山地といった日本列島の中央にある山脈のこと。日本列島の真ん中は北から南まで綺麗に高い山が連なっています。

沢「北からの風が吹いてきて、高い山にぶつかります。ぶつかった時に風は右・左に逃げられないので、上に逃げるしかない。山に沿って上がっていく時に、そこで雲が湧いて、そこで雪を降らせてしまうので、降らせきった後の乾いた風だけが太平洋側へ流れ込んでくる」

多田「で、晴れたお天気。しかも乾燥したお天気に…」

沢「なりやすい」

これが冬に日本海側で雪が降り、太平洋側が晴れる理由です。

「そこに、海が、あるからだ」

日本に吹く北風。これはつまり大陸からの風です。

多田「確かに風は強くて寒いんだけど、大陸はあまり雪は降らない。日本列島に来て、日本海側は雪が多い。これは風が変わる?」

沢「それはすべて日本海のせい」

多田「日本海のせい。『そこに、海が、あるからだ』(笑)」

「そこに、山が、あるからだ」に続いて、「そこに、海が、あるからだ」が登場しました。

沢「大陸の上では冷たいだけの乾いた風。大陸から日本海の上を抜けてくる時に、そこで湿り気を帯びるんです」

つまり大陸からの冷たい風は、日本海の上で湿った空気に変化して、日本列島の山にあたるというわけです。

日本海が露天風呂状態

沢「湿った空気だから雪雲が湧いて、雪が降る。そういう仕組みです」

多田「これが冬場の基本的なお天気の構図ですよね」

今年は冬のシーズンの始まりに、新潟で記録的な豪雪がありました。
沢によるとこれは「日本海の海水温が高すぎる」ためなんだとか。

日本海の海水温が極端にいうと「露天風呂状態」。

沢「湯気が立つかのような状態になっているので、雪雲が成長しやすいんです」

多田「日本海の水温も低ければ、それほど水蒸気を含まずということなんですね」

地球温暖化は大雪に勝てない?

ここで多田が、こんなおたよりを紹介します。

「日本海側は大雪が続いていますね。地球温暖化は勝てないんですか?」(Bさん)

Bさんの論理は「地球が温暖化するならば、雪は降らないでしょう」というもの。

しかし実際に地球が温暖化すると、海は海水温を上げることで何十倍ものエネルギーを蓄えています。

温暖化が進んだせいで、海水温が上昇する。つまり「温暖化が進むと、雪が多く降りやすくなる」という、まるで真逆のような現象が起こるのです。

多田「大陸からの冷たい風は、海水温の高い日本海を通って日本列島で大雪を降らせている。大ーきな悪いやつは、“温暖化”と」

沢「そうなんです。すべての原因はそこ。気候変動って本当に怖いです」

今年の大雪は、真逆の現象に思える「地球温暖化」が原因だったというわけです。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年12月23日07時07分~抜粋

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