多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

恐怖!寄生虫が体内をはいずり回る!?「顎口虫症」に恐れず対処する方法は?

最近、顎口虫(がっこうちゅう)という、寄生虫が人の皮膚の周りを這い回るという病気で、青森を中心に150人ほどが医療機関を受診しました。

聞くだけで怖いこの顎口虫症というのは、いったいどのような病気で、何が原因で発生するものなのでしょうか?

12月15日放送のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、北里大学獣医学部獣医寄生虫学研究室の准教授、筏井(いかだい)宏実先生に話を伺いました。

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顎口虫ってどんな虫?

まずは顎口虫とはどのような寄生虫なのかについて、解説いただきました。

筏井先生「人に感染するのは幼虫の状態なんですけれども、1~2mmですね。
色も白っぽい感じで、成虫になると2~3cmぐらいで白いちょっとヒモのような。
いわゆる線虫なので、アニサキスとかと同じグループですね。

幼虫も成虫もこけしをイメージしてもらったらわかると思うんですが、頭だけがポコっと丸くなっていて、非常に特徴のある形になっています」

名前に顎(アゴ)や口と付いていますが、なぜなのでしょうか?

筏井先生「それは頭に大きいトゲがありまして、それが特徴になっているので名前についているかと思います。寄生する場所とか突き進むために、引っかかるためのトゲですね。

成虫だとそこの頭のトゲを利用して、胃とか食道に引っかかってじっとしているという感じですし、幼虫に関しても頭を大きくしたり小さくしたりして、前に進むようになっています」

寄生虫の一生

では、この顎口虫は寄生虫としてどのような一生を送るのでしょうか?

筏井先生「動物の胃や食道に寄生して卵を産むっていう形になります。
成虫になって卵を産んだ後、幼虫になってそれがケンミジンコというミジンコに水の中で食べられて。

それがオタマジャクシやドジョウ、今回の食中毒では白魚とかに行って、それがまた成虫になるために犬猫やイノシシ、イタチなどに食べられて成虫になるというふうになってます」

食べられて寄生してという繰り返しによって、連鎖していくようです。

体内に入ってきてどうなる?

この顎口虫が今回、人間に入ってきたということですが、これはどのタイミングで入ってきたのでしょうか?

筏井先生「胃の中で魚の筋肉とかが溶かされて、中から幼虫が出てきて、小腸などの消化管を突き破って。突き破るといっても1~2mm程度なので。

アニサキスのように大きければ痛いと思うんですけれども、顎口虫の場合は気づかずにスルッと抜けて、そのあとは身体の中を動くんですけど、皮膚の方に向かうことが多いと言われています」

多田「皮膚の方に行ったあとは、どうするんですか?」

筏井先生「皮膚の下でじっとするようになるんじゃないかなと思っています。
過去に白魚を食べて2、3か月ぐらいで虫を検出したという例がありますので、数か月は生きてるんじゃないかと思います」

寄生虫を避けるには

では、この寄生している間、人間にはどのような影響を及ぼすのでしょうか?

筏井先生「ほとんどないと思うんですが、まれに眼とか神経系に行って障害を起こすというふうに言われていますので、決して安全な寄生虫ではないというのも確かです」

そう聞くと、是が非でも寄生されるのを避けたいのですが、どうすれば良いのでしょうか?

筏井先生「人が取り込まないようにすることを考えると、やはり淡水魚等を生で食べない。
加熱するか、しっかり凍らせて虫を殺して、その後に食べるというふうになるかと思います」

日本では魚を生で食べる文化が根付いていて、新鮮なお魚はおいしいのですが、寄生虫対策としてはそのまま食べるのは避けた方が良いとのことです。
(岡本)
 
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2022年12月15日07時21分~抜粋

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