多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「気嵐(けあらし)」の不思議。冷たいはずの川の水に湯気が立つのはなぜ?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)、気象予報士でもある沢朋宏アナウンサーがリスナーの質問に答える「沢君教えて!」のコーナー。

12月9日の放送には、リスナーAさんから「今朝もまた、近くの川に“気嵐(けあらし)”が立っています。寒い時期で川が冷たいのに、なぜ冷たい川から湯気が立つのでしょうか。沢君教えて!」というおたよりが寄せられました。

温かくないはずの水面から、まるで湯気が出ているように見える。この不思議な現象「気嵐」は一体なぜ起こるのでしょうか?

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「いい湯かな?」と飛び込みたくなる

そもそも「気嵐」とは?

「気嵐」は、川や海などの上にフワ~っと出る霧のこと。まるで水面から湯気が立ち上っているように見える、なんとも幻想的な光景です。

映像で見たことがあるという多田しげおも、「本当に湯気が立ってるように見えますよね」と同じ感想をもらします。

沢「思わず『いい湯かな?』と思って飛び込みたくなるような」

多田「ね!いや本当に」

「気嵐」は霧の一種。気象用語では「蒸気霧」と呼ばれるものです。

温かな水面の上に冷たい空気がある時に、そこにホワホワホワと湯気が立つように霧が発生します。

つまり「気嵐」は、大気の温度より川や海の温度が高い時に起こる現象というわけです。

お風呂の湯気が出る理由

多田「水面の方が温かい。その上に“もっと冷たい空気”が来ると、フワ~っと湯気が立つというものなんですか」

この多田の「もっと冷たい空気」という言葉がポイント。

沢「冬なので、おたよりにあったように川の水も冷たいはずなんです。川の水も当然冷たいんですが、それ以上に空気の方が冷た~くなっちゃってる、と」

多田「今朝などは放射冷却もあって、空気がどんどん冷たくなって。ただ液体はそうすぐに温度が変化しませんので、川の水はまあまだ温かいと。そういう現象になってる」

「気嵐」は気温と海水、川水の温度差がある時に現れます。

例えばお風呂の湯気は「40℃以上あるから」出るのではなく、「空気と水の温度の差が大きいから」出ている、というわけです。

秋の終わりと冬の訪れを知らせる

多田「ぐっと全体として気温が低い時でも、水よりももっと空気が冷たければ湯気がでますよ、と」

沢「と、いうことなんです。これからはそういうことがよく見られる季節になってきます」

多田「つまり『寒い季節がやってきたぞ!』という風物詩ですか?」

そう、この「気嵐」はあくまでも「寒い冬がやってきたぞ!」の風物詩。
本当に寒い時期がやってくると、この「気嵐」は北風ですべて流されてしまうのです。

多田「せっかく湯気が立っても、サァーっと」

沢「サァーっと流されちゃうから、本当の冬本番になっちゃうと、それもあまり見られなくなってしまう」

つまり「気嵐」は「冬の入り口。晩秋から初冬」の風物詩。秋の終わりと、冬の訪れを知らせてくれる幻想的な景色です。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年12月09日07時09分~抜粋

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