多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「被害者救済法案」成立へ…実際に効果はあるのか?

旧統一教会の被害者を救済することを念頭にした被害者救済法案が国会で成立しそうな見通しとなりました。

この法案で実際に被害を受けている人は救済されるのか、そして実際の法律の中身はどのようなものなのでしょうか。

12月8日放送のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、被害者救済法案についてCBC特別解説委員の石塚元章委員が解説しました。

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禁止される内容は?

正式名称は「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律(案)」といい、あわせて消費者契約法などの改正も含まれています。

いわゆる宗教法人が勧誘や寄付を求める時に禁止される項目が含まれていて、違反すると止めるように命令ができ、さらに従わなければ罰則があります。

禁止項目の例としては、「誘われた人が『途中で帰りたい』と言っても帰らせない」「家に押しかけられ『帰ってください』と言っても帰らない』「逃げ出しにくいような場所に連れて行く」「威圧的な言動で誘う」「恋愛感情を巧みに利用する」「霊感などを持ち出して不安をあおること」などが挙げられます。

配慮すれば良い?

そして、この法案では禁止項目だけではなく、「配慮義務」というものが最初に盛り込まれていました。
これは禁止よりも弱く、「こういうことをしないように配慮してください」というレベルのもの。

1つは自由な意思を抑圧して判断を困難にしてしまうという、いわゆるマインドコントロールのような状態にしないこと。

また、寄附の金額が本人のみならず家族やこどもたちが生活できないような莫大な金額を求めないこと、相手に寄附の宛先や使い道について勘違いをさせないこととなっています。

この案に対して、野党や被害者弁護団などから「これも禁止事項にすべき」という反対意見が出ました。

被害のことを考えると、禁止にした方が良いように思われますが……。

石塚「宗教は心の問題なので、マインドコントロールをしてるかしてないかとか、気持ちの問題をどこの線引きで判断するのかと」

法律を作る以上は、きちんと文章化し規定しなければならず、ここに立法の難しさがあるようです。

2年後に見直しも

その後、自民党は修正案を提出し、配慮義務に対しても勧告や公表できるように付け加えました。さらに野党からの要求により、「十分に」配慮するといった文言が追加されました。

国会の会期終了も迫っていたこともあってか、自民党はあっさり受け入れ、日本維新の会や国民民主党は早くから了承し、立憲民主党は7日に了承しました。

石塚「自民党側はもともと旧統一教会問題で支持率が下がり出して、ここで『また前に進まないのか』と言われると、さらにまずいという気持ちが与党側にある。

一方で野党側も『救済しようとしてる法律を作ろうとしてるのに、難癖をつけて遅らせた』みたいに思われたら、我々も損だよねっていうお互いの政治的な配慮と、会期(終了)が迫ってるっていうタイミングもあって、落としどころを探したということがあるかもしれません」

2年後に見直しをすること、法律に関する検証を行うことも決まっていますが、今後どこまで効力を発揮するかが注目されます。
(岡本)
 
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2022年12月08日07時19分~抜粋

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