多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

どうして日本では「キャブ」ではなく「タクシー」なの?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の1コーナー「石塚元章の金曜コラム」では、CBC論説室の石塚元章が毎週、1つのテーマからさまざまなトリビアなどを紹介しています。

12月2日放送のテーマは「タクシー」。

1959年(昭和34年)12月3日、日本で初めて個人タクシーの営業が認可されたことから、このテーマとなりました。

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海外では「キャブ」

まずはタクシーの歴史を振り返りましょう。

19世紀のフランスあたりで生まれたのが最初で、2輪で2人乗りの小さな馬車を走らせていて、これが「キャブリオレ」と呼ばれていました。
「子ヤギ」と「跳ね回る」という意味で、後にオープンカーの意味にも使われています。

その後、イギリスで建築家のジョゼフ・ハンサムが、お客さんを2人乗せられるように改良した「ハンサムキャブ」が誕生。

後にアメリカでタクシーのことを「イエローキャブ」と呼ぶようになりましたが、この「キャブ」は、元をたどれば「キャブリオレ」から来ているのです。

タクシーの語源

一方、日本ではキャブと呼ばずに「タクシー」と呼んでいますが、この語源は何でしょうか。

かつてドイツでは、馬車で人を運ぶ時に料金のトラブルが発生していたため、距離に応じた料金メーターが発明されました。

その料金メーターの名前が「タクサメーター」で、ラテン語で「計算する、評価する」という「タクソー」という言葉から名付けられました。

それが英語で「タクシーメーター」と呼ばれ、日本では車そのものをタクシーと呼ぶようになりました。

つまり、タクシーに付いているメーターだからタクシーメーターなのではなく、逆にタクシーメーターが付いている車がタクシーというわけです。

日本ではタクシーよりもすでに前から人力車がありましたが、車のタクシーは1912年(明治45年)、東京の有楽町に会社が誕生し、T型フォード6台で営業を開始しました。
当時は「辻待ち自動車」と呼ばれていて、すでにメーターは付いていました。

このメーターはドイツ製のため、距離の計算はマイル単位でした。
当時の料金は1マイル(約1.6km)で60銭。
そばが1杯4、5銭ぐらいの時代でしたから、今の価値だと5、6千円ぐらいになるようです。

助手席の「助手」って誰?

その後大正時代に入ると、運転手の横に助手が乗るようになります。
これは運転のナビをするためではなく、お客さんが着物の方が多い上に、まだ車に慣れていない方も多かったため、乗り降りの際に手伝う必要があったためです。

今でもタクシーに乗る時、人数が多いと運転手の横にお客さんが乗ったりしますが、お客さんが乗る席でも「助手席」と呼ぶのは、この時の名残りのようです。

タクシーが他の交通手段と異なる大きな違いは、行き先や出発時間が決まっていないということ。
利用者が出発時間に合わせるのではなく、利用者が出発時間を決めるというのが最も便利な点です。

また、運転手さんと乗客さんの距離が非常に近く、個室状態というのも独特。

密な状態となるため、到着までの時間に雑談をすべきかしないべきかというのは、運転手さんと乗客、それぞれが結構悩んでいるそうです。

最後に石塚は「タクシーという乗り物は乗客目線とドライバー目線のある、非常に興味深い乗り物だということがわかって参りました」とまとめました。
(岡本)
 
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2022年12月02日07時22分~抜粋

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