多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

厳しい冬はウクライナの戦況にどう影響するのか?

ロシアがウクライナに侵攻を始めてから9カ月が経ちますが、戦闘は止む気配がありません。
厳寒の冬を迎えようとしているウクライナ、戦闘状態はどうなるのでしょうか?

11月29日放送のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、ウクライナ情勢についてCBC論説室の石塚元章特別解説委員がレクチャーします。
聞き手は多田しげおです。

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厳冬のウクライナ

多田「ウクライナの冬の気候はどうですか?」

石塚「秋の長雨で地面が非常にぬかるんでいます。そうなると、軍用車両(戦車)が動きにくくなる。人が歩くのも大変です」

多田「これから先、寒い冬が来るんですか?」

石塚「首都のキーウで平均気温は氷点下6度、7度。夜明け前はもっともっと寒い。また、地域によってはマイナス20度くらいになるところもあります。

地面は凍ります。地面が固まると軍用車両は動きやすくなります。
そこへ大雪が降り積もると、また軍用車両は動きにくくなります。戦争は気候などに大きく影響されます」

両軍とも停滞した状況にならざるを得ないようです。

ロシアは補給不足

多田「兵士も寒いですね」

石塚「冬の戦争は装備と補給路です。寒くてしかたない軍隊と、最新式の暖かくて動きやすい服を着ている兵士とでは違いがでます。
それに、食べ物、燃料の補給がちゃんとしているかどうかも大事です。

ロシア軍は大変旧式な装備を使っていることが指摘されています。しかも、2月に侵攻をはじめたので短期決戦のつもりだった。ぬかるんだり、雪が降ったりは当初は予測していなかった。ロシア側は準備不足です」

現段階では、ウクライナに対してヨーロッパやアメリカが相当に物資を支援しており、ロシアに比べるといい防寒着を着ることができるそうです。

石塚「地上戦が制限されると砲撃戦になる可能性があります。そうすると、それもアメリカ軍などが補給している短距離ロケットのミサイル砲の性能のいいものがウクライナ軍には支給されている。
ロシアはミサイルとか弾が足りないという話もあります」

民間施設への攻撃?

多田「この冬、ウクライナ側が東側へ攻め返していきそうですか?」

石塚「ロシア側は少し下がって、迎え撃つために準備を整える。春まで時間を稼ぎたいです。
もうひとつ、発電所とかエネルギーのインフラにミサイルを撃ち込んで停電になるようにしています」

多田「停電になると冬場、暖房ができませんね」

石塚「これは民間施設を意図的に狙っているということで、明らかな国際法違反です。
それで春まで時間稼ぎをして、できれば参ったと言わせたい」

ロシアの世論は?

石塚「プーチンのもうひとつの敵は国内世論です。ロシア内でもさすがに『プーチンはいかがなものか』という声が高まってきています」

多田「国民にとっては『なぜこんな戦争をするのか?』から『自分が行くのですか?』となっていますね」

石塚「しかも時間稼ぎのための無駄死にです」

多田「プーチンはすぐに戦争をやめる気はないわけです。その間、どんどん人が死んでいく」

石塚「ウクライナ側もやめるわけにはいかない。支援している方もウクライナ支援疲れが出てくるのが怖い」

多田「戦争がこの先どうなっていくのか、終結はまったく見えません」

いろんな戦争がありましたが、冬がきたから押し返したというケースもあり、逆もあるそうです。今後の形勢はどうなるのでしょうか?
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年11月29日07時19分~抜粋

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