多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ワクチン接種で唯一予防できるがん「子宮頸がん」についてもっと知ろう!

専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)のコーナー「健康で生きる」。

11月のテーマは「婦人科の病気」です。
16日の放送では大同病院・産婦人科医長の高橋先生が「子宮頸がん」について解説します。

聞き手は多田しげおです。

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子宮頸がんとは?

子宮頸がんとはどのような病気でしょうか?

高橋先生「ずばり悪性の病気で、子宮の出口、頸部にできるがんです。
上部の袋状のところにできるがんは子宮体がんといい、一般に『子宮がん健診』とは子宮頸がん健診のことです」

子宮頸がんに関しては、一時期ワクチンを接種するかどうかで大きな話題となりました。ゲインはウイルスの感染とのことですが?

高橋先生「ヒトパピローマウイルスと言いますが、ほぼ9割がこのウイルスの感染によりがんができていると言われています」

このウイルスは簡単に感染するのでしょうか?

高橋先生「性交渉がある方は男女問わず感染します。ただ、ほとんどの人は、免疫の作用でウイルスが自然になくなりますが、ウイルスがなくならないごく一部の人が、がんの前の段階を踏んで、数年後に子宮頸がんを発症します」

治療法もさまざま

子宮頸がんの発症年齢についてはどうなのでしょう?

高橋先生「以前は40~50歳代での発症が多かったのですが、現在は20~30歳代に発症のピークがあり、30歳後半の患者数が多いです」

初期の段階では自覚症状などがほとんどないそうで、定期健診で発見して診断を確定することになるそうです。
治療方法についても伺いました。

高橋先生「がんの前段階である異形成と呼ばれる、悪性ではないけれども灰色の段階があります。

この異形成にも、軽度、中等度、高度のレベルがあり、中等度異形成までは診ている間に消えることもあります。
そのためできたら半年に1度、うちの病院では3か月ごとぐらいでがん検診をやったらどうかという話をしています。

ただ、高度異形成というレベルになると、その中にごく初期の上皮内がんという可能性もあるため、子宮の出口を繰り抜く手術を行います。

それ以上の浸潤がんであれば、子宮と卵巣、リンパ節を摘出する大きな手術に、抗がん剤、放射線治療を組み合わせて、治療方法が決定されます」

再度接種の検討を!

子宮頸がんは、ワクチンの接種で唯一予防できるがんと言います。

高橋先生「子宮頸がんを防ぐワクチンは、子宮頸がんを起こしやすい16型と18型の感染を防ぎます。これにより子宮頸がんの原因の50~70%を防ぐと考えられています。

これにより日本では前がん病変の可能性、世界的にも頸がんを発症する可能性を下げることが明らかになっています。

日本では2009年に小学6年生から高校1年生の女子を対象とした接種が始まりました。

しかし、ワクチンを接種された方10万人中数名程度に、機能性身体症状という原因不明の身体反応が見られたため、2013年から約9年間にわたり、ワクチン接種の積極的勧奨が差し控えられていました。

現在、これらの症状とワクチン接種との積極的な因果関係は見出されておらず、ワクチン接種の積極的勧奨が再開されています。

接種機会を逃した世代にも、キャッチアップといって自治体から再度クーポンが届いているかと思います。
受けていない方は出来るだけこの機会に受けていただいたらと考えています」

大同病院・産婦人科医長の高橋先生に「子宮頸がん」について伺いました。
(新海 優・Yu Shinkai)
 
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2022年11月16日08時14分~抜粋

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