多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

意外と身近な「煙突」。知っておくと命が助かる「煙突効果」とは?

11月11日は1が並んでいる日ということから、記念日が多く設定されています。

「1」がまっすぐな形であることから、お菓子のポッキー&プリッツの日やチンアナゴの日、煙突の日などとなっています。

そこで、11日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、CBC論説室特別解説委員の石塚元章が「煙突」について、あれこれ調べてみました。

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知っておきたい「煙突効果」

最近はあまり煙突を見かけなくなりましたが、それは家の中で物を燃やすことがなくなったため。

煙突の目的といえば、物を燃やして出る煙を外へ出すことですが、燃焼効率を上げる効果もあります。

暖かい空気はどんどん上がっていきますが、下から新しい空気を取り入れるとさらによく燃えるようになり、この効果のことをそのまま「煙突効果」といいます。

また、煙突には自然に換気もできるというメリットもあります。

煙突効果は煙突そのものに対しては良い面がありますが、煙突以外では悪い面もあります。

2000年(平成12年)、オーストリアのケーブルカーで火災が発生し、150人以上の方が命を落としました。現場は上り坂のトンネルで、煙突の中のような状況でした。

火災は後ろの車両に発生したため、煙はどんどん前の車両へ向かっていき、煙を避けたいと思った多くの人は、当然前の車両へ進んでしまいました。

しかし乗っていた消防士には「煙突効果」の知識があったため、周囲に「煙を飛び抜けてでも、下へ出ろ」と呼びかけ、10数人の方が助かったそうです。

煙突掃除が原因で病気に

本格的に煙突ができたのは、14世紀ごろのヨーロッパ。
日本では江戸時代まで煙突がなく、主要な国の中では珍しかったようです。

16世紀になるとヨーロッパでも石炭を使い出すようになり、すすが多く出るようになったため、煙突掃除をする仕事が生まれました。
その労働環境は過酷で、すすが原因でがんになることもありました。

実はこのすすとがんの関連性を発見したのは、日本のがん研究の第一人者となった東京帝国大学の山極勝三郎教授でした。

煙突掃除といえば、かつてナチスドイツは「煙突掃除法」という法律を作り、煙突掃除の職人は生粋のドイツ人以外になってはいけないというもの。

各家庭に行って掃除する際、反ナチスではないかどうかを監視するためでした。

船にある大きな煙突

一方、イギリスでは煙突掃除人を見つけると幸せになれるという言い伝えがあり、この話をモチーフにしたミュージカル映画が『メリー・ポピンズ』です。

その中に出てくる有名な歌が『チム・チム・チェリー』ですが、その歌い出しは「チムチムニー、チムチムニー、チムチムチェリー」。

煙突は英語でチムニーと言いますので、歌詞は煙突から来ているのです。

そのチムニーという言い方ですが、船の煙突はファンネルという別の用語がありますが、ファンネルの役割は燃料から出る煙を逃す以外に、汽船会社のマークを表すことにも使われています。

ただ、時代が移り燃料が変わって、そこまで大きな煙突はいらないのですが、マークをつけたいがために大きな煙突をつけているそうです。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年11月11日07時20分~抜粋

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