多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ゴルフでしか聞かない単位「ヤード」、いまも使われる理由

私たちの生活の中ではメートルを使うのが一般的なのに、なぜまだゴルフでは「ヤード」を使っているのでしょうか?

11月8日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、スポーツ担当のCBCアナウンサー江田亮が、ヤード・ポンド法とスポーツの関係について解説しました。

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メートル法を使わないスポーツ

陸上や水泳はメートルですが、スポーツでは意外と他の単位を使っているケースが見られます。

例えば競馬で走る距離はメートルで表しているものの、マイルやハロンという単位も使われ、「マイルチャンピオンシップ」という名前のレースもあります。

ボクシングでは体重をポンドで表しますし、バスケットボールはフィートやインチという単位を使用しています。

1ヤードは91cmと、1メートルよりはやや短めの長さで、今でもイギリスやアメリカでは使用されています。

かつては日本でも「尺貫法」といって、長さに尺という単位を使っていました。

もともと国によって長さの単位がバラバラだったところ、18世紀末に世界共通で使える単位のルールとして、メートル法がフランスで誕生しました。

しかし、200年以上経った現在も、メートル以外の長さの単位は使用されています。

球速100マイルって何キロ?

ヤード・ポンド法による長さの単位はやや複雑です。
ヤード、フィート、ハロンなど名前がバラバラな上、1ヤードは3フィート、1ハロンは220ヤードと中途半端な数字で換算が必要です。

今では使用している主要な国はアメリカとイギリスぐらいで、しかもイギリスはメートルのほうが主流になってきています。

しかし、イギリスやアメリカが発祥のスポーツは、いまだにヤード・ポンド法の長さを使っていることになります。

日本のプロ野球では球速をメートルで表しますが、アメリカではマイルで表示。

アメリカで100マイルのピッチャーと言われてもピンときませんが、160kmと言われると速いという感じがするのではないでしょうか。

マウンドまでの距離は何フィート?

野球では基本、メートル法を使わないということですので、塁間の距離が中途半端だという理由がよくわかります。

メートルで表現すると27.431mですが、フィートならちょうど90です。

では、本塁からマウンドまでの距離はどれぐらいかといいますと、18.44m。

これをフィートに直すと60.6であり、フィートでも中途半端ですが、なぜ60フィートぴったりではないのでしょうか。

最初にグラウンドを設計する際、もともとは60フィートに設定されていました。

しかし、設計図を書いた人が「60.0」と数字を手書きで書いたところ、走り書きで書かれていたからか、実際に作る人が小数点以下の数字を「0」ではなく「6」と読んでしまい、60.6フィートになったそうです。

日本のゴルフ場でもメートルが

ゴルフ場ではいまだにヤードが使われていますが、実は日本でも一時期、メートル表示されていたことはご存知でしょうか?

通産省(現:経済産業省)の「国内の計量単位を統一しよう」という考えにより、1976年(昭和51年)からメートル表示になっていました。

藤子不二雄さんの人気マンガ『プロゴルファー猿』では、すでに発売されていた単行本などはヤードで表現され、当時放送されていたテレビでは、メートルで表現していたそうです。

しかし、昔からゴルフを見ていた人にとってはヤードの方に馴染みがあるということで、結局8年後、ヤードに戻ったそうです。
(岡本)
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2022年11月08日07時38分~抜粋

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