多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

30代以上の2~3割以上が発症?知っておきたい子宮筋腫

専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)のコーナー「健康で生きる」。

11月のテーマは「消化器内科の病気」です。
2日の放送では大同病院・産婦人科医長の髙橋先生が「子宮筋腫」について解説します。
聞き手は多田しげおです。

[この番組の画像一覧を見る]

子宮筋腫とは?

まず、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)とはどういう病気なのでしょうか?

高橋先生「結論から言うと、良性の腫瘍です。子宮筋腫は子宮の筋肉から発生するコブのようなものです。

子宮の筋肉の中だったり、子宮の中の部屋に接したり、子宮の出口近くにできて腟内に顔を出したり、子宮の外に向かって発育したりします」

筋腫の大きさはどのくらいでしょう?

高橋先生「1cm弱くらいの小さなものから、こどもの頭くらいの大きさのものなど、大きさはさまざまです。いろいろな大きさの筋腫が多発することもあります。
しかし、大きさだけで治療の適応を決めるわけではありません」

子宮筋腫にかかる年代、割合はどのくらいでしょうか?

高橋先生「20歳代の方にも出来ますが、30歳以上の2~3割に発症すると言われますが、もう少したくさんの人が持っている印象があります」

起こりうる症状は?

子宮筋腫の原因と、主な症状はどんなものでしょうか?

高橋先生「なぜ筋腫ができるかはまだわかっていません。
症状は、筋腫があると一般的には月経量が増え、月経痛がひどくなることが多いです。
その結果、健診で貧血を指摘されたりします。

子宮の中の部屋に発生するものや、筋腫分娩と言って腟内にでてくるようなタイプでは、不正出血、月経が止まらないなどの症状で来院される方もあります。

また、スカートが合わなくなったと思っていたら、大きな筋腫があったなんていう方もいらっしゃいますね」

悪性の可能性も

診断はどのような方法で行われるのでしょうか?

高橋先生「内診や超音波検査で診断されます。多発筋腫では、MRIを撮影することで、より立体的な位置を把握することができます」

子宮筋腫は良性の腫瘍とのことですが、悪性の場合もあるのでしょうか?

高橋先生「子宮筋腫は良性腫瘍ですが、まれに筋腫と思っていたら、肉腫という悪性の腫瘍だったということがあります。
なかなか超音波検査やMRIなどの画像検査では、その2つの見極めが非常に難しいです。

当院では初めて筋腫を指摘された方には、念のため3か月後くらいに、サイズの急激な変化がないかなど、フォローアップをお勧めしています」

薬では完治できない

子宮筋腫を根本的に治す薬はあるのでしょうか?

高橋先生「子宮筋腫を根本的に治療する薬は残念ながらありません。根治は手術療法になります。
月経や貧血の状況、生活の支障などを伺いながら、治療方法を考えます。
月経症状が軽い方は、対症療法といって、貧血の薬や鎮痛剤などを使いながら経過観察します」

月経が重い方はどうしたらよいでしょうか?

高橋先生「月経症状や生活に支障がある方では、手術を含めた治療方法を検討します。
お子さんの希望がある方には、筋腫のみを摘出する手術を、そうでない方には子宮全摘を計画します。

施設によっては、子宮筋腫の栄養血管を閉じて筋腫を縮小させるような血管治療を行う病院もあります。

手術を選択しない場合は、低用量ピルなどのホルモン剤を内服して、月経量を手術でなくても減らすようにお手伝いするようなことはよくあります」

大同病院・産婦人科医長の高橋先生が「子宮筋腫」について解説しました。
(新海 優・Yu Shinkai)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
この記事をで聴く

2022年11月02日09時13分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報