多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「落書き」にはなぜ「落ちる」という漢字が使われているの?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の1コーナー「石塚元章の金曜コラム」、10月21日放送のテーマは「落ちる」でした。

10月22日はパラシュートの日で、1797年に世界で初めてパリでパラシュートの降下に成功した日にちなんでいます。

パラシュートは漢字で書くと落下傘ということで、CBC論説室の特別解説委員である石塚元彰が、「落ちる」から連想されるものをいろいろと解説しました。

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「落ちる」を科学する

「落ちる」の言葉の意味を辞書で引くと、「上から下へ自然で急速に移動すること」。

重力がある地球では、私たちは物が下へ落ちていくことは当たり前のように感じています。

ただ、重力の概念が発見されるまで、昔の人は「なぜ物は下へ落ちてしまうのか?」と疑問に思っていました。

アリストテレスは、「石を手から離すと地面に落ちるのは、地面、つまり元にあった場所に戻ろうとするから」と考えたそうです。
炎や煙が上に昇っていくのは、もともと炎は天から来たものだからとも考えたそうです。

さらに「重いものほど速く落ちる」とも考えましたが、かなり後になってから、ガリレオは実験を通して、真空だと重さと落下速度は関係がないということを発見しました。

そして、ニュートンはその理由を重力だと発見したというように、時代が進むにつれてどんどん解明されていきます。
1971年にはアポロ15号で実際に月面に向かって実験し、本当に速さは変わらないということを証明しました。

「落書き」は何を落としている?

落ちるという文字を使う単語の1つが「落書き」。

何気なく気軽に書くもののことを指しますが、よくよく考えてみると何かを落としているわけではないのに、なぜ「落」書きなのでしょうか。

これは、大昔に行われていた落書きの元祖と関係があります。

もともとは、書いたものを読んで欲しい人の前にわざと落とし、拾ってもらっていたことから来ています。

これが、ラブレターを直接手渡しをするのが恥ずかしいので落としていた、という場合であればロマンチックですが、中にはお上への批判を表現したいけど、自分が書いたことがわかると罰を受けるのは怖いので、文章を書いた紙を落としていたということがあったようです。

最近、誹謗中傷がネットに流れるのを防ぐため、とあるネットニュースのコメント欄には、電話番号を登録しなければ記入できないことが話題がありましたが、無記名のコメントに少し似ているかもしれません。

価値のある落書き!?

ただ、単なる落書きでも歴史的には意味がある場合があります。

というのも、古文書には書ききれていない内容や、古文書ではわからない人間の感情や当時の暮らしぶりがわかるためです。

例えば、2000年前にイタリアで発生したベスビオ火山の噴火では、発生時期が8月説と10月説に分かれていますが、10月の日付が入っている落書きが2018年に見つかったことで、話題になりました。

今なら何気ない日常や人々の感情などがSNSに書き込まれているので、データさえ消失しなければ、たくさんのことが未来の人に知られることでしょう。
(岡本)
 
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2022年10月21日07時19分~抜粋

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