多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「オーケストラ」「コーラス」の語源は?音楽の歴史を学ぼう

秋といえば読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋…と、いろいろな活動に適した時期ですね。

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の「石塚元章の金曜コラム」コーナーでは、CBC論説室の石塚が毎週ひとつのテーマを基にさまざまな話題を提供。

10月14日の放送では、芸術の秋ということで「音楽」を取りあげました。

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音楽の語源

まずは「音楽」という言葉の語源からたどってみましょう。

鎖国が解かれた明治時代、英語の言葉を日本語に訳す際、今までになかった言葉がどんどん作られるようになりました。

もともと「音楽」という単語は日本にあり、この時は音を出すことと踊ることの両方を指していましたが、「music」を「音楽」と当てはめたわけです。

では、「music」の語源は何かというと、こちらはギリシャ神話にまでさかのぼります。

芸術をつかさどる9人の女神がいるとされ、その女神はムーサ(muse)と呼ばれました。

そして、芸術活動のことをギリシャ語でムシーケ(mousike)と呼ばれたため、これがmusicの語源となっています。

ちなみに、博物館を表すミュージアム(museum)の元も同じです。

また、音楽にまつわる用語は古代ギリシャから来ていることが多く、ギリシャ悲劇の合唱隊はコロスと呼ばれ、これはコーラスの語源。

また、舞台の前に広い土間があり、これはオルケストラと呼ばれていましたが、オーケストラの語源となっています。

音楽理論を考えたのは誰?

私たちは鼻歌など感覚で歌ったりするものですが、音階やコードなど理論立てて研究をする音楽理論というものがあります。

音楽理論の基礎を作ったのは、こちらも古代ギリシャとなりますが、かの有名なピタゴラスといわれています。

ある時、ピタゴラスが鍛冶屋さんの前を歩いていると、叩いている音が人によって違うということや、重なった音が心地よく感じる時と違和感を覚える時があるということに気づきました。

その後、1本の弦を張ったモノコードという楽器に近いものを作り、現在に通じる音程や音階を定義したといわれています。

音楽と他の芸術の大きな違い

音楽は絵画や彫刻と同じく芸術の一種としてとらえられてきましたが、他の芸術と大きく異なるのは、「作り手と受け手が時間的な共有をしなければならないこと」。

今でこそ録音したものを別の時間に聴くことができますが、作った後にいつでも観られる絵画や彫刻と違い、音楽の場合、昔は実際にその場で演奏を聴く必要がありました。

また、録音したものであっても、時間差で作り手と受け手が時間を共有しているともいえます。

石塚は「音楽の歴史をさかのぼると、時間をいかに共有するかという道具立ての歴史」と語りました。

1度奏でた曲をまた再現して聴けるようにするため楽譜というものが作られ、それが活版印刷の技術によって多くの人に広めることができました。

その後、蓄音機やレコードが作られ、ウォークマンが作られ、現在のネット配信へと発展していくことで、いつでも聴けるようになりましたし、今やボーカロイドといって、コンピュータを駆使して人間ではなくても歌えるようになりました。

特にこの100年ぐらいで、音楽を取り巻く環境は劇的に変化したといえるでしょう。

ただ、最後に石塚は「音楽によって元気づけられたり癒されたりするのは変わらないと思います」とまとめました。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年10月14日07時21分~抜粋

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