多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

全国でも珍しい「レンガ舗道の橋」が土木遺産に。 岡山・津山市の翁橋

山間にある町です岡山県津山市は、昔から交通の要所となっていて、近代的な建物も多く建てられています。

その津山市には翁橋(おきなばし)という橋があります。この橋が国の有形文化財に指定されている上に、最近では土木学会から土木遺産として選奨されました。

10月13日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、「翁橋の魅力」について、津山市産業文化部歴史まちづくり推進室の乾康二さんに伺いました。

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土木遺産に選ばれた理由

翁橋は1926年(大正15年)に建設された橋で、木造からコンクリート製に架け替えられてできたもの。

橋の四隅に2mぐらいの親柱があり、これがアールデコ様式で風情のあるたたずまいとなっています。

土木遺産に選奨された理由の1つが、表面がアスファルトで覆われていた橋の下に、実はレンガ敷きになっていたという点。

大正末期当時、特殊なレンガで敷き詰めるというのは全国的にも非常に珍しいのですが、レンガ敷きだと分かったのはつい最近なのだそうです。

乾さん「もともと作った時にレンガ敷きだったという予想はついてたんですけど、実際にどうなのかというのはわかっていませんでして。
大正15年の架橋ですので、かなり傷んではきてるんです。

それで橋の状態を見るために試掘で、1m四方ぐらいに窓を開けてアスファルトをはがしたんですけど、その時にレンガが出てきたということです」

レンガは橋に向いてない?

橋の床にレンガを使うというのは、非常に珍しいようです。

乾さん「土木課の職員が『車道にレンガが敷かれているのは今まで見たことがなかった。まして橋に重たいレンガ舗装をするというのは土木学の常識ではあり得ないことだ』と言ってました」

多田「それでも車道として使う部分にはレンガが良いという考えが、当時はあったのでしょうか。」

乾さん「車道専用の舗道レンガというものなんですけれども、これは関東大震災の復興事業などでよく使われていたもので、非常に固くて普通のレンガに比べて圧力にも強い」

翁橋は上からアスファルトで固められながらも、100年近くも持っていることになります。

乾さん「橋自体が10m四方とあまり大きくありませんので、持ってたのかなというのは思います」

レンガはもう見られない?

多田「試掘で少しレンガが見えたあと、全面的に掘り返してレンガの全貌が見えたということですが、そうすると、現在はレンガが見えるようになっているのでしょうか。」

乾さん「いえ、そのあとレンガの保護のためにもう一度アスファルトを覆っておりまして、今は見ることはできないんです」

多田「少し残念な気もしますが、橋のためには仕方がありませんね。」

乾さん「今後は橋の寿命対策もしていかないといけませんし、現在、レンガを敷いているという文化財的な価値を損ねないようにして保存活用していきたいと思っております」

多田「今後は、レンガを全然見ることはできないんですか?」

乾さん「今後、舗道部分に2か所ほど実際のレンガが見える窓のようなものを設けまして、また車道にあたる部分には、レンガ模様のカラーアスファルト舗装をしようという計画はしております」

古いものを取り入れつつ新しく生まれ変わる翁橋が、そう遠くない将来に見ることができるそうです。
(岡本)
 
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2022年10月13日07時42分~抜粋

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