専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)のコーナー「健康で生きる」。
10月のテーマは「消化器内科の病気」です。
12日の放送では大同病院・消化器内科部長の西川先生が「大腸がん」ついて解説します。
聞き手は多田しげおです。
早期発見で5年生存率が98.8%に!「大腸がん」について学ぼう。
毎年15万人以上の人が大腸がん
多田「そもそも大腸とはどういう臓器だと考えれば良いのでしょうか?」
西川先生「大腸は1.5mほどの管状の臓器で、主に水分や塩類を吸収する働きを担っています。
口側から盲腸に始まり、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸で構成されており、これらの部位にできるがんを総称して大腸癌といいます」
多田「大腸がんは多いのでしょうか?」
西川先生「大腸がんは男性の11人に1人、女性の13人に1人がかかると報告されており、非常に多いがんです。
日本では推計で毎年15万人以上の人が大腸がんと診断され、男女合わせて最多になっています。
それに伴い大腸がんで亡くなる患者さんも増えており、その数は年間5万人を超え、肺がんに次ぐ第2位(男性で3位、女性では1位)となっています」
西川先生「大腸は1.5mほどの管状の臓器で、主に水分や塩類を吸収する働きを担っています。
口側から盲腸に始まり、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸で構成されており、これらの部位にできるがんを総称して大腸癌といいます」
多田「大腸がんは多いのでしょうか?」
西川先生「大腸がんは男性の11人に1人、女性の13人に1人がかかると報告されており、非常に多いがんです。
日本では推計で毎年15万人以上の人が大腸がんと診断され、男女合わせて最多になっています。
それに伴い大腸がんで亡くなる患者さんも増えており、その数は年間5万人を超え、肺がんに次ぐ第2位(男性で3位、女性では1位)となっています」
大腸がんの原因は?
多田「原因や背景はどういったものになるでしょうか?」
西川先生「大腸がんは生活の欧米化が増加の原因といわれており、リスクとして飲酒、喫煙、体脂肪過多、赤身肉や加工肉の過剰摂取が言われています。
また生活習慣病が原因の糖尿病では、大腸がんのリスクが1.4倍増加すると報告されています」
多田「症状としてはどんなことが挙げられますか?」
西川先生「症状としては便に血が混じることや便が細い、出にくい、便が残る感じ、便秘や下痢を繰り返すといった排便困難の症状が重要です。
そのほか、お腹の張りや腹痛、体重減少、貧血などがあります」
西川先生「大腸がんは生活の欧米化が増加の原因といわれており、リスクとして飲酒、喫煙、体脂肪過多、赤身肉や加工肉の過剰摂取が言われています。
また生活習慣病が原因の糖尿病では、大腸がんのリスクが1.4倍増加すると報告されています」
多田「症状としてはどんなことが挙げられますか?」
西川先生「症状としては便に血が混じることや便が細い、出にくい、便が残る感じ、便秘や下痢を繰り返すといった排便困難の症状が重要です。
そのほか、お腹の張りや腹痛、体重減少、貧血などがあります」
やはり早期発見が大事!
多田「大腸がんも現在では、早期に見つかれば助かる割合も上がってきますか?」
西川先生「大腸がんも胃がんと同様に、早期で発見できれば、完治できる可能性が高いがんです。
ステージ1で発見された大腸がん患者さんの5年生存率は98.8%と報告されています。
がんがポリープに混じっている段階であれば、大腸カメラの検査時に切除することも可能です。したがって、早期発見、早期治療が非常に重要になります」
西川先生「大腸がんも胃がんと同様に、早期で発見できれば、完治できる可能性が高いがんです。
ステージ1で発見された大腸がん患者さんの5年生存率は98.8%と報告されています。
がんがポリープに混じっている段階であれば、大腸カメラの検査時に切除することも可能です。したがって、早期発見、早期治療が非常に重要になります」
毎年の検査でわかることも
多田「そのためにもまずは発見することですよね。検査方法はどのようなものでしょう?」
西川先生「大腸がんは初期ではほとんど症状がないことが多く、検診による早期発見がとても重要です。
検査は便潜血検査といって検便で便に血が混じっていないか調べる検査になります。
対象は40歳以上の方で年1回、受診することができます。
便潜血検査が陽性となった場合は必ず医療機関を受診し、内視鏡検査を相談していただくことをおすすめします。
全員に病気が見つかるわけではなく、大腸ポリープは30~40%、進行がんが見つかるのは3%程度です。
半数以上が治療を必要とする疾患が見つからないため、数字としては少ないかなと思ってしまいますが、便潜血検査を毎年受けることで、大腸がんの死亡率を60%、大腸がんになるリスクを46~80%低下させることが報告されています。
したがって、毎年検査を行うことが望ましいんです」
西川先生「大腸がんは初期ではほとんど症状がないことが多く、検診による早期発見がとても重要です。
検査は便潜血検査といって検便で便に血が混じっていないか調べる検査になります。
対象は40歳以上の方で年1回、受診することができます。
便潜血検査が陽性となった場合は必ず医療機関を受診し、内視鏡検査を相談していただくことをおすすめします。
全員に病気が見つかるわけではなく、大腸ポリープは30~40%、進行がんが見つかるのは3%程度です。
半数以上が治療を必要とする疾患が見つからないため、数字としては少ないかなと思ってしまいますが、便潜血検査を毎年受けることで、大腸がんの死亡率を60%、大腸がんになるリスクを46~80%低下させることが報告されています。
したがって、毎年検査を行うことが望ましいんです」
検査方法もさまざま
多田「ただカメラによる大腸検査は、女性などは恥ずかしいと思って抵抗があったりしませんか?」
西川先生「そのような場合は、麻酔をかけて寝ている間に検査を行ったり、痛み止めを使用したりと、患者様に苦痛が少なく安心して検査を受けていただく方法もございます。
また、大腸カメラが困難な患者さまやお腹の手術歴などで困難が予想される患者様には、カプセル型の内視鏡を飲み込んで検査を行う『大腸カプセル内視鏡検査』も可能となっています」
西川先生「そのような場合は、麻酔をかけて寝ている間に検査を行ったり、痛み止めを使用したりと、患者様に苦痛が少なく安心して検査を受けていただく方法もございます。
また、大腸カメラが困難な患者さまやお腹の手術歴などで困難が予想される患者様には、カプセル型の内視鏡を飲み込んで検査を行う『大腸カプセル内視鏡検査』も可能となっています」
進行具合によって違う治療方法
多田「治療方法はどのようなものがありますか?」
西川先生「大腸がんの治療は、がんの進行具合によって異なります。
大きく分けると、がんを取り除く治療と、抗がん剤による薬物治療になります。
大腸がんは早期で発見された場合、内視鏡治療で根治することが可能です。
内視鏡で取り切れないがんの場合は、手術でがんを切除する方法をとります。
手術についても、近年では腹腔鏡を用いて小さな傷で行うことが可能となっています。がんが他の臓器に転移してしまっている場合(遠隔転移)やお腹の中に散らばってしまっている場合(播種)では、抗がん剤による薬物治療が中心となりますが、大腸がんの場合は外科手術で根治を目指していくような治療もあります」
大同病院・消化器内科部長の西川先生が「大腸がん」について解説しました。
(新海 優・Yu Shinkai)
西川先生「大腸がんの治療は、がんの進行具合によって異なります。
大きく分けると、がんを取り除く治療と、抗がん剤による薬物治療になります。
大腸がんは早期で発見された場合、内視鏡治療で根治することが可能です。
内視鏡で取り切れないがんの場合は、手術でがんを切除する方法をとります。
手術についても、近年では腹腔鏡を用いて小さな傷で行うことが可能となっています。がんが他の臓器に転移してしまっている場合(遠隔転移)やお腹の中に散らばってしまっている場合(播種)では、抗がん剤による薬物治療が中心となりますが、大腸がんの場合は外科手術で根治を目指していくような治療もあります」
大同病院・消化器内科部長の西川先生が「大腸がん」について解説しました。
(新海 優・Yu Shinkai)
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