多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

素朴な疑問。ペットボトルの「ペット」って何?

今やあらゆる飲料に利用され、私たちの身近にあるのがペットボトル。

しかし、身近な割には何からできているのかなど、意外と知らないことが多かったりします。

9月30日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、CBC論説室の北辻利寿特別解説委員がペットボトルについて解説しました。

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アメリカで誕生

ペットボトルという名前にあるペットですが、ペットのように身近なものという意味ではなく、「PET」の略語から来ています。

ペットボトルの原料はポリエステルですが、その中でもペットボトルに使われているのは「ポリエチレンテレフタラート」、この略がPETなのです。

PETは20世紀半ばにアメリカの化学メーカーデュポン社が開発し、1974年(昭和49年)に飲料用のボトルとして使用が始まりました。

最初に詰められたのはペプシコーラだそうで、やはりアメリカ製品です。

日本では1977年(昭和52年)に初めて使用されました。

この20年近くでかなり進化

最近のペットボトルは、すごく薄くなったという印象を受けますが、薄くなるのにともなって軽くなっていきます。

飲料用ペットボトル500ml容器の重さですが、2004年度は25.2gでしたが、現在は18.9gと25%もカット。
2lのものに至っては、40%も軽くなっているそうです。

今は柔らかくなって簡単につぶすことができますが、もちろん耐久性に問題はありません。

サイズは10種類あり、1番小さなものは280mlで、1番大きいのは4lのものがあり、焼酎やウイスキーに利用されています。

また、デザインもロケットのような形だけではなく、ひょうたんや竹筒のような形など、今やさまざまな形が登場。

これだけペットボトルのサイズやデザインのバリエーションが豊富になってきていますが、飲料用ペットボトルのキャップが何種類あるのかといいますと、実は1種類。

サイズが大きくても小さくても、キャップの大きさはすべて同じで、製造効率を重視して、直径28mmと規定されています。

リサイクルして何ができる?

ペットボトルの大きなメリットといえば、やはりリサイクル。

日本のリサイクル率は88.5%とかなり高く、ペットボトルを生み出したアメリカが18.0%、ヨーロッパの39.6%と比べると、日本はリサイクル王国といえます。

では、どのようにペットボトルはリサイクルされているのでしょうか?

ペットボトルを回収した後は圧縮してブロック状にしたあと、金属探知機で異物がないかチェック。
さらに機械で5cmぐらいの大きさに細かくした後、強い風を吹き付けてラベルをきれいに取ります。

また洗って乾かして、8mmぐらいのフレークと呼ばれるかけらにして、その材質が食品用のトレイや卵のパック、定規などにも使われています。

その他フレークを糸にして編んで、作業着やネクタイ、カーテンに使ったり、以前はペットボトルから作られたフリースが話題になりました。

ペットボトルの弱点

ここで「手っ取り早く、ペットボトルとして使えないの?」という疑問が出てくるかもしれません。
しかし以前は、食品を扱うという観点から基準が厳しかったため、ペットボトルへ戻すことはできませんでした。

現在は日本の技術が進んでほとんど元の形にすることに成功し、今や15%ぐらいはペットボトルとして再び使用しています。
2030年には、これをさらに50%にまで引き上げる目標です。

元に戻せるだけではなく、さまざまな加工が可能という万能なペットボトルですが、唯一といって良い弱点が「熱」。

実際には80度ぐらいまで耐えられるそうですが、ペットボトルに入れた暖かい飲み物を自動販売機で売る際は、55度に設定されているそうです。

最近はSDGsの考えが広まっていますが、今後もペットボトルの活躍の場は広がりそうです。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年09月30日08時14分~抜粋

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