多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

数千年変わらなかった耳かきが、日本で大進化していた!

CBC論説室の北辻利寿特別解説委員が様々な日本での最初の出来事を物語る、『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)の「日本はじめて物語」のコーナー。

9月28日の放送では、「耳かきの道具」を取り上げました。

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古代からある耳かき

古代ローマ時代の遺跡から、青銅で作られた耳かきのような道具が見つかっているそうです。
中国でも3千年以上前の河南省の遺跡から、翡翠で作られた耳かき用の道具が出土しています。

日本で耳かきが登場したのは江戸時代。
女性の髪に差すかんざし、その飾りの部分の先に小さな匙状の耳かきがついているものがありました。

道具としての耳かきの進化は、古代からほとんどありません。
唯一あるのが、匙状の反対側の先についている白いフワフワ。あれは羽毛でできていて「梵天」と呼ばれます。
耳かきした後に、粉上の耳垢をサッと綺麗に仕上げるためのもの。
形状的な進化はこの程度でした。

みんなの欲求を形に

北辻「21世紀に入って、とんでもない大進化が日本であったんです。それも、ここ2~3年です」

従来の耳かきは、自分の耳の中を見ながら掃除することはできず、専ら手探りに頼っていました。
一方で「自分の耳の中を見ながら出来たらいいな」と思った人も多いはず。
この欲求を満たす耳かき道具が遂に登場したのです。

最新型の耳かきは、先端に3.9ミリの小さいカメラが付いています。
カメラの周りには6個のLEDライトがあり、専用アプリを使って手元のスマホ画面に自分の耳の中が映し出されます。

北辻「右手に耳かき、左手にスマホ。さあ、耳掃除スタート!」

じゃあ、動かさなければいい

北辻「ところがこれ、大きな問題がありました。耳の中に入れてホジホジと手を動かしていると、スマホに映った画面もぶれるんですよ」

見づらいだけでなく、画面酔いでだんだん気持ち悪くなってきます。
そこで、東京のサンコー株式会社が考えたのが、手を動かさない耳かき。

ホジホジしていた手は動かさず、モーターをつけた耳かきの先端を回転させるというもの。例えると電動歯ブラシのようなイメージです。

手は動かさないので、そこについているカメラもぶれません。
画面を見ながら狙いを定めて耳かきを持っていくと、回転する匙の部分が耳垢を取ってくれます。
しかも、小さい耳垢を吸引する機能も付いていて、3段階の強さでスーッと吸引。

北辻「手に握りやすいデザインといい、カメラがぶれない構造。吸い取る力。こうしたものを組み合わせることによって、自分の耳の中を見ながら、耳掃除ができるのを実現したんです」

日本の高い内視鏡の技術に、掃除機の技術を組み合わせた画期的な耳かきです。

名前通りの商品

北辻「この名前が『ごっそり爽快!スマホで視ながら耳かき掃除機』」。その通りです。去年の11月に発売。
進化したのはつい最近だと申し上げたのは、そういうことです。税込み6,980円なんですけど、結構売れているみたいです」

古代ローマからほとんど進化がなかったのが、ほぼ一年前に日本で大進化を遂げました。「気持ち良く耳掃除をしたい」という思いに応えて、日本のアイデアと開発技術が生み出した究極の耳かき道具。

「耳かきはじめて物語のページには、日本の生活文化の歩み、その確かな1ページが、今はスマホ画面に映し出されながら刻まれています」と、耳の奥まで届く声で語る北辻特別解説委員でした。 
(尾関)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年09月28日07時40分~抜粋

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