多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

完治は難しい?関節リウマチの治療法とは?

専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)のコーナー「健康で生きる」。

9月のテーマは「膠原病の病気・関節リウマチ」です。
21日の放送では大同病院・膠原病、リウマチ内科の主任部長の土師陽一郎先生が「関節リウマチ」について解説します。

聞き手は多田しげおです。

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先週までの振り返り

膠原病は、自分を守るはずの免疫が自分を攻撃してしまうことで起きる炎症の病気(25個程度)の総称です。
患者数は100万人、そのうちの7割であるおよそ70万人がかかっているのが「関節リウマチ」です。

関節リウマチは関節に炎症が起こる病気。
特に両手の指の第2、第3関節に痛みや腫れが生じて、治療が遅れると関節の破壊が起き関節が固まってしまい、関節が曲がらなくなるなどの機能障害を起こしてしまいます。

今回はその治療法について取り上げます。

服薬での治療

多田「早速ですが、関節リウマチにはどういう治療法があるんですか?」

土師先生「治療法は『抗リウマチ薬』という内服のお薬が治療の基本になります。

今までは、治療が開発されるまでは、痛み止めや湿布薬のような痛み止めの系統で我慢をして暮らしていたという状況でした。
湿布薬や内服の痛み止めというのは、一時的に症状を緩和する効果はありますが、元から治す、炎症を取る効果はほぼないと言っていいので、病気を止めることはできないということになります」

多田「ですから、一時的に痛みが治まるのを良しとせずに、根本的な薬でもって根本的に炎症をとる、という治療をしないといけないということなんですね」

土師先生「はい。抗リウマチ薬という代表的には『メトトレキサート』いう内服薬を週に1度飲んいただくということになります」

多田「難しい名前ですね!この薬は効果アリと思っていいのでしょうか?」

土師先生「はい。国際的にも認められた代表的なお薬で、基本的には飲み始めて4週ぐらいで効果が半分ぐらい出て、8週~10週で最初に内服した量の効果が、完全に出ると言われています」

効かない場合は…

多田「これはほとんど全員に効果があるのでしょうか?」

土師先生「それが残念ながら、中には効きが悪い方がいらっしゃって、メトトレキサート単独で完全に良くなる方は5~6割とされているんです」

多田「これで良くならない場合にはどうするのでしょうか?」

土師先生「効果が不十分な場合はそれ以外の抗リウマチ薬を何種類か重ねるという方法や、最近では生物学的製剤という注射や、JAK阻害薬という最新の内服薬が開発されていて、それらを併用すれば発症早期の方であればほとんど良くなります」

手術が必要な場合も

多田「発症早期と念を押されましたが、では少し治療が遅れてしまった方は手術になってしまうのでしょうか?」

土師先生「残念ながら内科的治療の効きが悪い方、例えば関節が変形してしまうなど薬だけでは抵抗がある方に関しては、関節の袋を取ったり、関節を修正するような外科的手術が必要になる方もいらっしゃいます」

多田「最終的には手術となって、それでもって関節リウマチは治ると思っていいんですか?」

土師先生「こちらも残念ながら、膝や股関節のように確立した人工関節の手術がまだ確立していなくて、どちらかと言うと悪化したものを修正するというもので、100%には戻らないので、まだ手術方法に関しても完璧な治療法ではないというところになります」

多田「ここにちょっと期待を持ちたいんですが、今のところは完全に治るという病気ではないですよということなんですね」

土師先生「残念ながらそういうことになります」

大同病院・膠原病、リウマチ内科の主任部長の土師陽一郎先生 に「関節リウマチの治療」についてお話していただきました。
(新海 優・Yu Shinkai)
 
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2022年09月21日08時14分~抜粋

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