川柳にはぴりっとものごとの本質をついたり、くすりとするユーモアがあったり、皮肉や自虐があったり。きついことでも軽く楽しく言えます。
前週にあったスポーツの話題で作られた川柳が寄せられる『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)の「久野誠のスポーツ川柳」。
スポーツジャーナリストの久野誠さんがリスナーから届いた川柳を読み上げますが、9月19日放送からは野球の句を取り上げます。
台風到来
まずは回文川柳です。上から読んでも、下から読んでも同じです。
「遠征で 台風吹いた 停戦へ」
(えんせいでたいふうふいたていせんへ)
回文を考えていると、頭の体操になります。四六時中「たいふう」「ふいた」と頭の中で音を探してしまいそうです。
「ビシよりも 多い台風14号」
ビシエドはホームラン12号で中日の最多。それより台風の方が多いじゃないかという皮肉です。
多田「確か、ホームランの数はヤクルトの村上ひとりと中日のチーム全体でどっこいどっこいでしょう」
久野「中日が60本、村上が55本です」
ちょっと情けないですね。
村上さまが見たい
そのヤクルトの村上宗隆選手への川柳も多く見られました。
「ありがたや 村上さまで 超満員」
村上選手のおかげで名古屋のバンテリンドームが超満員になったという話です。
というのも村上選手は現在、今シーズン打ったホームランが55本。昭和39年に巨人の王貞治さんがマークした日本選手シーズン最多記録に並んでいます。次に56号が出れば記録更新です。
おそらくドラゴンズファンも野球ファンですし、出るのを期待しているでしょう。
もうひとつは中日の投手が抑えるところも見てみたい。
17日は中日の大野選手と小笠原選手が見事に抑えました。
「足踏みに 村上さまも 人の子か」
久野「やっぱり意識するのかもしれません。55号でちょっと止まっていますね」
多田「でも、56号という日本人ではトップになるという歴史的なホームランを目の前で見たいよね」
「勝負期に 申告したら ブーイング」
久野「申告敬遠したらバンテリンドームでブーイングがおこったそうです。みんな見たい、勝負しろと。
思い出しますね。上原投手が敬遠と上から言われて、泣きながら速いボールを投げましたね」
そういう記録にも、記憶にも残ることが起きているのです。
粘り腰でも勝ち切れず
とはいえ、本来はみんなドラゴンズファン。ドラゴンズ川柳のネタはつきません。
「あったんかい ドラにもこんな 粘り腰」
9月17日、対ヤクルト戦、1対1で迎えた12回表2点を入れられて3対1に。
これでおしまいかと思ったら、延長最終回の12回裏、中日2点をあげて3対3の同点になりました。
ところがこんな川柳も…。
「意地見せて 追いついたなら 勝ちなはれ」
同じ試合でも見方が違います。でも、どちらも根底にあるのはドラゴンズ愛です。
ヤクルトより強くても
ペナントレースも終盤。順位が気になりますが、つい、愚痴に。
「ヤクルトに 勝ち越しドラが なぜ6位」
多田「順位で圧倒的に1位と6位なのに、なぜか6位のチームが1位に対してだけは強いとか、ありますよね。これがプロ野球のおもしろさですよね」
久野「でも、なんで。一方DeNAに4勝しかしてないですよ」
「今月も 1勝できたよ 横浜に」
5月、7月、8月に各1勝。4月、6月は試合なし。ということで、各月に1勝しかしてない。通算4勝16敗1分。
多田「ルールを自分で作ってその通りやってるんだから立派なもんですよ、ハイ」
高橋宏斗がかわいそう
残念なことのひとつがこれです。
「被安打1で 負けた宏斗(ひろと)が かわいそう」
13日のDeNA戦では7回25人を相手に114球。被安打わずかに1、奪三振9、与えたフォアボール2、失点1で負け投手になりました。また、高橋宏斗選手はシーズンを通して援護に恵まれていないようです。
多田「将来大ピッチャーになる人の多くは、若い時そういう経験をしていますから、逆に高橋は将来すごいピッチャーになるという保証ができたわけですよ」
もう今期が見えたので、来期を夢見るファンも多いようです。
「最下位を 来期につなげ ドラゴンズ」
「来期は わくわくしたい この季節」
順位はともあれ、ドラゴンズ愛が衰えることはなさそうです。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年09月19日08時34分~抜粋