多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

カフェやレストランの併設も…リニューアルが進む都市公園

名古屋市内の主要な公園として知られる鶴舞公園が現在リニューアル工事中ですが、これは都市公園法という法律に基づいて行われています。

都市公園は文字どおり都市にある公園ですが、法律ではどのように規定されているのでしょうか?

9月15日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、都市公園についてCBC論説室の後藤克幸特別解説委員が解説しました。

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都市にあるから都市公園ではない?

都市公園法の対象となるのは、国または地方自治体が設置した公園。

屋外に設置された市民の憩いの場、レクリエーション活動や運動が行える場所なのはもちろん、災害が起きた時に避難場所の機能を持たせた公園となっています。

高度成長期に乱開発や建物の乱立によって自然破壊が進む中で、1956年(昭和31年)に都市公園法が制定されました。

都市公園にもさまざまな種類があり、身近なものでは住宅地の中にある「地区公園」。

その地区に住んでいる人が歩いていける距離にある公園で、よく見かけるのがすべり台やベンチ、藤棚などがあるものです。

もう少し大きな規模のものになるのが「総合公園」で、自治体全体の市民を対象として、自然観察や散策を楽しんだり、時には運動ができたりと、総合的な利用を目的とする公園です。

鶴舞公園が変わる理由

鶴舞公園は総合公園にあたりますが、実はできたのは1909年(明治42年)と古く、名古屋市が最初に設置した公園であり、都市公園法が制定される前からある公園です。

また、開園から100年経った2009年(平成21年)には、文化財保護法に基づいて国の登録記念物に指定されました。

その鶴舞公園ですが、最近はカフェができたり、冒頭のリニューアル工事など、どんどん変わっていくのには、何か理由があるのでしょうか?

歴史の長い公園では施設の老朽化が進み、維持や管理の費用がかかってきています。
また、ライフスタイルや価値観の多様化により、さまざまなニーズに応える必要があり、そうすると新たな施設などを作る必要も。

そこで費用を捻出するために、民間資本の活力を導入する動きがあります。

鶴舞公園のリニューアル工事は来年4月に完了予定ですが、テラス席のあるカフェやレストランを園内に配置し、飲食施設からあがってくる収益を歴史的建造物の修繕・修復・維持にあてる計画となっています。

今後もコラボは増えていく?

最近、民間の力を活用し始めたのは、都市公園法が改正されたというのも大きな理由です。

都市公園法が2017年に改正され、その中で公募設置管理制度というものが導入されました。

民間資本を導入し、地方自治体の財政負担を軽くして、都市公園の魅力をアップさせることが目的で、名古屋市中区栄エリアにある久屋大通公園が2020年に大きくリニューアルされたのも、この制度が活用されています。

ただ、これらのリニューアルで商業施設などが増える一方、緑が減るのではないかという懸念もありますが、都市公園は自然公園とは異なり、自然の保護が目的というよりは、人の賑わいや、魅力のある街や憩いの場を創出することが目的です。

最後に後藤委員は、「全国的に人口が減り、地方経済で地盤沈下が起き、公園施設の老朽化などの課題に地方自治体が直面する中で、新しい動きとして民間の柔軟な発想を取り入れてリニューアルしていく、新しい時代を迎えている」と都市公園についてまとめました。
(岡本)
 
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2022年09月15日07時20分~抜粋

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