多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

災害の多い日本に必要…防災士ってどんな資格?

9月1日は防災の日、1923年(大正12年)に関東大震災が発生したことから、防災の意識を高めるために制定されており、さらに9月は防災月間でもあります。

この日に放送された『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、日本で23万人以上が持つといわれる防災士という資格について、実際の防災士の方が登場し、解説しました。

地震や台風など自然災害の多い日本において、防災士の必要性が高まっているそうですが、いったいどのような資格なのでしょうか。

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防災士ってどんな資格?

今回、防災士について解説するのは、CBCの沢朋宏アナウンサー。

『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(TBS系)やこの番組では、防災士というよりも気象予報士として気象情報を伝えていることでおなじみです。

沢が防災士を取得したのは2021年と最近ですが、資格を取るまではどのような資格なのか、よくわかっていなかったそうです。

勉強していくうちに理解が深まったそうで、沢は防災士について「いざという時に立ち上がれる人」と表現。

さらに「家族をまず安全な状態である避難場所に連れていくことができ、地域住民と協力し合いながら避難所を運営し、数日間や数週間、みんなの命を守ることができる人」と語りました。

災害時、避難生活が円滑に進むように活躍する役割を担っていますが、普段はどのような活動を行うのでしょうか。

沢「普段から備蓄の状況はどうか、家の中で危うい所、補強・保全・補修しなければならない所はないか目をかけたり、地域の中での防災講習や防災講演にお声をかけていただいたら、率先的に務めるように(活動する)」

普段は防災・減災に関する啓蒙活動を行う役割を担っているようです。

防災士が生まれたきっかけ

防災士になるルートは、大きく分けて3つあります。

1つは沢のように自ら試験を受けに行くケース、2つ目は職場で受験を勧められて受けに行くケース。

3つ目は地方自治体が「防災士の講座を受けて、受験までかかる費用は負担するので、地域のために誰か受けませんか?」と公募で受験するケースです。

防災士はNPO法人日本防災士機構が2003年(平成15年)から開始していますが、誕生のきっかけは阪神・淡路大震災。

大規模な被害をきっかけに避難所の運営などを通じて、自治体からの援助を受ける「公助」だけではなく、自分で自分の身を守る「自助」、地域住民で助け合う「共助」の仕組みが重要視され、組織的に運用できるようにしようという考えから、防災士が生まれました。

CBCアナウンサーでは沢を含めてすでに3名の防災士がいますが、日本防災士機構によりますと、30万人ほどが必要だそうです。

2022年8月現在で防災士は23万人ほどですので、まだまだ必要なようです。

合格までの流れ

では、防災士になるにはどのような勉強が必要なのでしょうか?

まず試験を受ける前に、土日のまる2日間講習を受ける必要がありますが、さらに講習を受ける前、2週間ほどかかる宿題が渡されます。

事前にテキストが送られてきますので、問題を解いておいた後、講習の最初に提出しなければいけません。

そして講習の後に試験を受け、合格すれば晴れて防災士となるわけですが、出題のジャンルは幅広く、地震、台風、風水害、火山といった災害そのものだけではなく、心理学やリーダーシップ、フォロワーシップなど、災害が起きた時の人間の振る舞いについても学びます。

災害への備えに必要なこと

防災士は災害時に重要な役割を担うということはわかりましたが、気をつけないといけないのが、もし災害が起きた時、防災士の人がいれば安心、任せておけば良いというわけではありません。

災害時はまず「自助」が大事で、「共助」をフォローするのが防災士であり、災害が起きた時は、自分ができる限りのことをしなければならないのはもちろんのこと、普段からみんなが災害へ向けた備えをしておくことが大事です。

防災士となった沢が、ここで災害に向けて広く伝えたいことが2つあるとのことですが、それは何でしょうか?

沢「1つは(災害発生から)電気・ガス・水道が止まった3日間は、自分たちの家族だけで生きていけるように、何とか命をつなげるようにしておくこと。

これは食料や水だけではなく、小さなお子さんがいる、もしくはご老人の方や体が不自由な方がいる、それぞれのケースによって備えておくべきものが変わる。

あなたの家族にとって、3日間過ごせる物をちゃんと備えておくこと」

防災の情報は常に変わる

もう1つ伝えたいことは、2日間の講習の中でさまざまな先生から言われたことだそうです。

沢「『いま教えていることは、いまの知見です』と。

『来年になったら古くなるので、この資格を持つ以上は、自分の中で知識をアップデートしていこう、最新の物を身につけられるようにしようとする姿勢が大事です』と言われました。
この姿勢は防災士だけではなくて、みんなが持つべき姿勢。

例えば『緊急地震速報って何だ?』って、いま言ってちゃいかんわけですよね。
導入してから10年も経ったわけですから」

防災の日をきっかけに、私たち1人1人がもしもの時を考えたうえで、毎年、防災の情報を更新していく姿勢が大切ですね。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年09月01日07時19分~抜粋

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