多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

気になる「気管支ぜんそく」の症状、原因、治療法

専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)のコーナー「健康で生きる」。

8月のテーマは「肺がん・肺疾患の病気」です。
17日の放送では大同病院・呼吸器内科、主任部長の沓名健雄先生が「肺がん」について解説します。

聞き手は多田しげおです。

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気管支ぜんそくとは?

多田「先生、気管支ぜんそくとはどのようなものなのでしょうか?」

沓名先生「気管支ぜんそくは空気の通り道(気道)に炎症(ボヤ)が続き、さまざまな刺激に気道が敏感になって発作的に気道が狭くなること(大火事)を繰り返す病気です。

日本ではこどもの8~14%(2008年の文献)、大人では9~10%(2010年の文献)が喘息です。高齢者で発症する方もいらっしゃいます」

多田「10人に1人ですから、結構多い病気だと思って良いんですね。原因はどのようなものがありますか?」

沓名先生「炎症(ボヤ)の原因はチリダニやハウスダスト、ペットのフケ、カビなどのアレルギーによることが多いですが、その原因物質が特定できないこともあります」

発作について

多田「症状はどのようなことが起こりますか?」

沓名先生「発作的に咳や痰が出て、ゼーゼー、ヒューヒューという音を伴って息苦しくなります。これを『ぜんそく発作』と呼びます。
この『ぜんそく発作』は昼間に少なく夜間や早朝に出やすいのが特徴です」

多田「単なる咳か、気管支ぜんそくか、どうやって診断をつけるのでしょうか?」

沓名先生「このような症状を繰り返していれば、ぜんそくの可能性があります。

呼吸機能検査で気道の空気の流れが悪くなっていないかどうか調べます。
気管支拡張薬を吸った後にその流れが改善すればぜんそくの可能性が高いです。

また、痰の検査や吐いた息の中の一酸化窒素濃度を測定して、気道の炎症がないかどうか、血液検査でアレルギー体質かどうかなども検査します」

治療法は…

多田「治療方法はどのようなものがありますか?」

沓名先生「ステロイド薬の1日1~2回の定期的な吸入が必要です。ステロイドの『吸入薬』は、適切に使用すれば副作用は少なく安全です。
喘息の重症度に応じてステロイド吸入薬の量を調整したり、治療抵抗性の場合は生物学的製剤(バイオ)を併用したりします。

また、アレルギーの原因がわかっている場合はそれらを避け、たばこを吸っている方は禁煙してください。

もし発作が起こったら、即効性のある気管支拡張薬を吸入しましょう。
即効性の吸入薬を何度か繰り返しても改善しなければ、すみやかに病院を受診してください」

完治は難しい病気

多田「気管支ぜんそくは治るものですか?」

沓名先生「症状がなければぜんそくは治ったと思われるかもしれませんが、花粉症やアトピー性皮膚炎と同じアレルギー性疾患であり、完全に治すことは困難です。

気道の炎症(ボヤ)が続くと、気道が固く狭くなり元に戻らなくなりますので、治療によって症状を抑えることが困難になります。

したがって、日頃から炎症(ボヤ)を抑えるステロイド薬の吸入をおこない、発作を予防してください」

今回は大同病院呼吸器内科・主任部長の沓名健雄先生が「気管支ぜんそく」について解説しました。

次回のテーマは「慢性閉そく性肺疾患(COPD)」についてです。
(新海 優・Yu Shinkai)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年08月17日08時12分~抜粋

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