ＣＢＣ論説室の北辻利寿特別解説委員が紹介する『多田しげおの気分爽快!!～朝からP•O•N』の「日本はじめて物語」。
8月17日の放送では、お掃除グッズとして知られるニトムズ「コロコロ」を取り上げました。
ロングセラーにも、その誕生までには紆余曲折がありました。
粘着テープを扱う会社
北辻「生まれも日本、進化も日本」
「コロコロ」が開発された当初の正式名称は「粘着カーペットクリーナー」。
現在は「コロコロ」が正式名称になっています。
開発を始めたのは、粘着テープなどの総合部材メーカーで、大阪府北区に本社がある日東電工株式会社。
「せっかく粘着テープの技術があるんだから、暮らしの中でもっと活かせないか？」と、新しい商品を開発するためのプロジェクトチームを組織したそうです。
1975年（昭和50年）には、そのチームを独立させて、株式会社ニトムズという新会社まで作ってしまいました。本気です。
「コロコロ」が開発された当初の正式名称は「粘着カーペットクリーナー」。
現在は「コロコロ」が正式名称になっています。
開発を始めたのは、粘着テープなどの総合部材メーカーで、大阪府北区に本社がある日東電工株式会社。
「せっかく粘着テープの技術があるんだから、暮らしの中でもっと活かせないか？」と、新しい商品を開発するためのプロジェクトチームを組織したそうです。
1975年（昭和50年）には、そのチームを独立させて、株式会社ニトムズという新会社まで作ってしまいました。本気です。
こんな商品はどう？
ニトムズでは、粘着テープを応用した新製品を売り出すために、月に100件を目標に、とにかくアイデアを出し合ったそうです。
まず窓ガラスに貼って暖かさを保つ断熱シート。商品化されましたが、あまり売れず。
一方で商品化されなかったものも多数ありました。
例えば、ゆで卵の殻むきテープ。
コンコンとひびを入れたゆで卵にテープを貼って、剥がす際に、粘着力で殻を取るというもの。しかし開発チームの誰も使おうとしないので、商品化されず。
次に産毛取りテープ。剥がすときに痛すぎて、商品化できなかったそうです。
まず窓ガラスに貼って暖かさを保つ断熱シート。商品化されましたが、あまり売れず。
一方で商品化されなかったものも多数ありました。
例えば、ゆで卵の殻むきテープ。
コンコンとひびを入れたゆで卵にテープを貼って、剥がす際に、粘着力で殻を取るというもの。しかし開発チームの誰も使おうとしないので、商品化されず。
次に産毛取りテープ。剥がすときに痛すぎて、商品化できなかったそうです。
これはいけるぞ
そんな中で採用されたのが、なんとゴキブリの捕獲棒。
長さ約40センチの棒の先に、約9センチ四方の粘着テープがついたもの。
ハエ叩きの要領でゴキブリをキャッチ。捕まえたゴキブリは、テープごとに捨てることができます。
「これはいけるぞ」ということで商品化されました。
その商品名は「ゴキ逮捕」。大阪の会社らしいネーミングです。
テレビコマーシャルも作って大々的に売り出しましたが、実際に売り出してみると、思いもかけない問題が持ち上がります。
「ゴキブリの動きが速すぎて、なかなかキャッチできない」。普通は開発の段階で気がつくでしょう。さらに、問題点が発覚。
「壁や家具の隙間に逃げ込まれると、どうにも手が出ない」。
これも開発の段階で気がつかんかい、と突っ込みたくなります。買う側に突っ込まれるというのも大阪らしいですが。
長さ約40センチの棒の先に、約9センチ四方の粘着テープがついたもの。
ハエ叩きの要領でゴキブリをキャッチ。捕まえたゴキブリは、テープごとに捨てることができます。
「これはいけるぞ」ということで商品化されました。
その商品名は「ゴキ逮捕」。大阪の会社らしいネーミングです。
テレビコマーシャルも作って大々的に売り出しましたが、実際に売り出してみると、思いもかけない問題が持ち上がります。
「ゴキブリの動きが速すぎて、なかなかキャッチできない」。普通は開発の段階で気がつくでしょう。さらに、問題点が発覚。
「壁や家具の隙間に逃げ込まれると、どうにも手が出ない」。
これも開発の段階で気がつかんかい、と突っ込みたくなります。買う側に突っ込まれるというのも大阪らしいですが。
これはいけるぞ、再び
「画期的な新製品」のはずが、「ゴキ逮捕」は全く売れず、会社の倉庫には在庫の山。
その在庫整理のため、倉庫にいた女性社員が「ゴキ逮捕」のテープを使って、自分の服に付いたゴミを取ってる姿を目にしたそうです。
「これはいけるぞ」。
動くゴキブリは取れなかったけれど、動かないゴミやホコリなら取ることができます。これは新しい掃除道具になる、と開発チームが動き出しました。
ペンキを塗るローラーをイメージしたT字型。丸い筒の部分に粘着テープを巻いて、それをコロコロと床に転がすと、ゴミが全部くっついてきて掃除ができる仕組みが完成しました。
その在庫整理のため、倉庫にいた女性社員が「ゴキ逮捕」のテープを使って、自分の服に付いたゴミを取ってる姿を目にしたそうです。
「これはいけるぞ」。
動くゴキブリは取れなかったけれど、動かないゴミやホコリなら取ることができます。これは新しい掃除道具になる、と開発チームが動き出しました。
ペンキを塗るローラーをイメージしたT字型。丸い筒の部分に粘着テープを巻いて、それをコロコロと床に転がすと、ゴミが全部くっついてきて掃除ができる仕組みが完成しました。
怪我の功名
開発のポイントになったことが2つあったそうです。
1つは粘着力の強さ。弱すぎるとゴミが取れません。強すぎると床にくっついてしまって転がりません。何度も接着剤の配合を繰り返して、適正な粘着力を精査。テープの厚みまで調整したんだとか。
もう1つは接着剤の塗り方。本当はテープ全面に接着剤を塗るはずだったんですが、どうしても筋状にムラになってしまったそうです。
カーペットは毛と毛が立っていて奥行きがあります。
もし全面に接着剤があると、カーペット表面は均一にホコリが取れますが、奥には届きません。
しかし、接着剤がない部分があるおかげで、毛が動く余裕ができ、毛の奥のホコリが取りやすかったんだそうです。
1つは粘着力の強さ。弱すぎるとゴミが取れません。強すぎると床にくっついてしまって転がりません。何度も接着剤の配合を繰り返して、適正な粘着力を精査。テープの厚みまで調整したんだとか。
もう1つは接着剤の塗り方。本当はテープ全面に接着剤を塗るはずだったんですが、どうしても筋状にムラになってしまったそうです。
カーペットは毛と毛が立っていて奥行きがあります。
もし全面に接着剤があると、カーペット表面は均一にホコリが取れますが、奥には届きません。
しかし、接着剤がない部分があるおかげで、毛が動く余裕ができ、毛の奥のホコリが取りやすかったんだそうです。
コロコロと進む
1983年（昭和58年）に、「粘着カーペットクリーナー」が完成しました。さらに工夫は続きました。
テープの端だけ粘着加工しないことで、古いテープを剥がしやすくしています。棒の長さは卓上の物は短く、床用は長くする。今となっては当たり前になっています。
そして問題がまた1つ。「粘着カーペットクリーナー」という名前が浸透しませんでした。
買いに来るお客さんの誰もが口にしたのが「あのコロコロするやつ」。
そこで2年後に正式名称を「粘着カーペットクリーナー」から「コロコロ」に変更。
最近ではスマホの指紋の汚れを取る「指紋コロコロ」を出して人気です。
北辻「自慢の力強い粘着力で、しっかりと消費者のニーズをキャッチした、コロコロ初めて物語でした」
（尾関）
テープの端だけ粘着加工しないことで、古いテープを剥がしやすくしています。棒の長さは卓上の物は短く、床用は長くする。今となっては当たり前になっています。
そして問題がまた1つ。「粘着カーペットクリーナー」という名前が浸透しませんでした。
買いに来るお客さんの誰もが口にしたのが「あのコロコロするやつ」。
そこで2年後に正式名称を「粘着カーペットクリーナー」から「コロコロ」に変更。
最近ではスマホの指紋の汚れを取る「指紋コロコロ」を出して人気です。
北辻「自慢の力強い粘着力で、しっかりと消費者のニーズをキャッチした、コロコロ初めて物語でした」
（尾関）
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