多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

台風に発達する「熱帯低気圧」、普通の低気圧との違いは?

8月13日、台風8号が東海・関東地方に上陸し、強い雨や風をもたらしました。

よくニュースで「熱帯低気圧が台風に発達した」と言われますが、熱帯低気圧は普段から伝えられている低気圧と何が違うのでしょうか。

8月12日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)では、気象予報士でもある沢朋宏アナウンサーが、熱帯低気圧と普通の低気圧の違いについて解説しました。

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熱帯低気圧ってどんなもの?

夏を除く季節の天気図には、よく赤や青の線で表される前線をともなっていて、切り株の断面のような形で低気圧が表現されていることが多いです。

沢「暖かい空気と冷たい空気がぶつかる場所、洗濯機の中身みたいなものですね。
渦巻きがぐにゃってできるものが『温帯低気圧』という名前で、そこら辺にある低気圧です。

一方、『熱帯低気圧』は暖かい空気だけが渦を巻いて、真ん中でトルネード状態、上昇気流がギューっと起きてると」

多田「台風になる前の熱帯低気圧ですけども、要は台風の卵みたいなもので、性格は温帯低気圧と全然違うんですね」

そして多田は、熱帯低気圧のことを「プレ台風」や「たまご台風」と言った方がわかりやすいかもしれないと語りました。

普通の低気圧との違い

では、低気圧に「熱帯」が付かないという温帯低気圧だと特に問題がないかというと、そうとは限らないようです。

沢「市民生活へのインパクトで考えますと、温帯低気圧はそこまで影響は強くないが、影響範囲が広いという特徴があります。

確かに低気圧が来ると、全国的に雨が降りますよね。台風だと九州は大雨だけど他は全然関係ないよとか、結構ありますよね。
温帯低気圧はそれほど強くはないが、影響範囲が広い。

対して、熱帯低気圧というのはめちゃめちゃ強いんですけど、影響範囲はごく狭いという大きな特徴の違いがあります」

普通の低気圧でも、私たちの生活には影響を与えるということです。

台風に発達するのがなぜわかる?

日本からしてみると、たまに熱帯低気圧が台風に変わってやってくるというイメージがありますが、熱帯の地域では熱帯低気圧にはたくさんあるそうです。

一方で冷たい空気が入っていけないため、温帯低気圧はないとのことです。

そして熱帯低気圧から台風に発達するものがないか、気象庁は日本近海だけではなく、オーストラリアの辺りまでの空気もウォッチしています。

多田「どれが発達するのかまでわかるんですね」

沢「それはシンプルに言うと、天気予報の気圧配置図を作るのと一緒なんですよね。
雲だけ見てるとわからないんですけど、例えば温帯低気圧もこれが発達しそうかしないかは、予想天気図を作っていけばわかるわけです。

同じ形で熱帯の天気図を作って、予想図を作っていけばわかる。
実はこれが天気予報の基本のキというわけです。

今ある低気圧・高気圧がどういうふうに発達するのか発達しないのかを日々コンピュータによって計算させている作業になります」

ただ、コンピュータが発達した現在でも、実際に台風にまで発達するのかどうかを予測するのは難しいようです。

沢「例えばテストの点数でいうと80点を超えれば台風だと。今回の台風8号だと81点か78点ぐらいなんですよ。すっごい難しくて」

難しい予想ではありますが、事前の避難準備にはなくてはならない情報となっています。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年08月12日08時04分~抜粋

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