多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

冷蔵庫とエアコンの「冷やす技術」、意外な業界の技術から生まれた!?

CBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』「金曜コラム」コーナーでは、CBC論説室特別解説委員の石塚元章がこの時期に合ったキーワードを元に、調査内容を報告しています。

7月29日放送のキーワードは「冷やす」。

今の暑さが厳しいのは言わずもがなですが、人類は昔からこの暑さにどうやって冷やして対応してきたのでしょうか。

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温めるより冷やすほうが難しい

冷やすの反対は温めるですが、人類が物を温めるのは意外と早くから実用化されていました。

人類が火を使い始めた起源は諸説ありますが、少なくとも何十万年も前から使われていると言われています。

氷や雪も昔からあるため、大昔から冷やせるのではないかと思いがちですが、暑い時に冷やしたいもの。

海や川の水だとあまり冷えませんし、寒い時期に確保した雪や氷をなんとか保持し続けるぐらいしかありませんでした。

現在のシリアの場所には、紀元前4000年となる大きな氷の部屋の遺跡が残っています。
温める技術よりも冷やす技術の開発には時間がかかっていることがわかります。

外部から冷たいものを当てて冷やすという考えから、熱エネルギーを取り除くという考えも結構古く、紀元前3000年のエジプトの壁画に「奴隷とおぼしき人がうちわで壺をあおいでいる」様が描かれています。

おそらく、素焼きの壺に水やワインを入れて壺をぬらし、外からあおぐことで表面が気化熱で冷やしていたものと思われます。

冷蔵庫が進化したきっかけ

昔はうちわであおぐといった原始的な方法で物を冷やしていましたが、今は冷蔵庫の登場で簡単に物が冷やせるようになりました。

この冷蔵庫の発展に大きく貢献したのは、実は印刷技術だと言われています。

冷蔵庫と印刷技術は一見関係ないように思われますが、どこに関係しているのでしょうか。

1850年代、もともとスコットランドのジャーナリストだったジェームズ・ハリソンという人が、オーストラリアで新聞を発行していた際の気づきが、最終的にエアコンの発展につながったのだとか。

当時は活字で印刷したあと、インクをエーテルで拭き取っていたのですが、その時に金属が冷えるという現象を発見。

エーテル冷蔵庫というのを開発し、ビール業界は大喜びしたそうです。

エアコンの技術発展は偶然?

1902年になると、アメリカの技術者であるウィリス・キャリアという人が、印刷工場から「印刷工場の中がジメジメしていて、なかなかインクが乾かないので、何とかしてほしい」という依頼を受け、空気中の湿気を凝結させ、水にして外へ出すという大きな機械を製作。

ここで湿気を取ると冷えるということがわかり、エアコンへとつながりました。

当時、ほかのしくみで動いていたエアコンはすでにありましたが、今に至る現代的なエアコンの誕生は、これが元となっています。

冷蔵庫とエアコンという冷やす技術の発展は、偶然にも印刷業界がきっかけ。

石塚は最後に「印刷つながりを見つけたのは、今回の僕の大貢献ですね」とまとめました。
(岡本)
 
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2022年07月29日07時21分~抜粋

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