多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

変わりゆく「ハウステンボス」の今。

7月26日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』で取り上げたのは、長崎県佐世保市のハウステンボス。
「オランダよりオランダらしい」と評価されるテーマパークですが、最近旅行会社のエイチ・アイ・エス(H.I.S.)から身売りされるとのニュースで話題です。

あらためてハウステンボスはどんなところかを、CBC論説室の北辻利寿特別解説委員に聞きました。

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オランダ語で『森の家』

多田「中世ヨーロッパのオランダの町並みを再現したということです。私も一度行ったことがありますが、確かにオランダらしい。広いですね」

北辻「面積でいうと152万平方メートル、ディズニーランドとディズニーシーを合わせたのとほぼ同じ大きさです」

多田「そこにチューリップをはじめお花畑がいっぱい。散策すると、中世ヨーロッパのオランダ風の建物があって、その間を運河が広がり、そこを小舟が走っていて、本当にいい雰囲気の、大人が散策するのにちょうどいいようなところです」

北辻「長期滞在できるように作られたテーマパークです」

多田「ハウステンボスとはどういう意味ですか?」

北辻「オランダ語で『森の家』という意味です。実際オランダの王女が住む宮殿のひとつに『ハウステンボス宮殿』というのがあります。そこからきました」

2250億円の投資

多田「開園は30年前、1992年3月ですね」

北辻「長崎オランダ村というものがあり、それを発展的に拡大しました。当時2250億円投資しました。
テレビ、映画、ロケをどんどんやって九州の一大観光地になりました」

多田「その年マイケル・ジャクソンがプライベートでやってきたそうですね」

北辻「よほど気に入ったらしくて、翌年もやってきた。開園2周年のイベントではジャネット・ジャクソンのコンサートもやりました」

最初はよかったが…

北辻「わずか4年で入場者数が年間380万人です。長崎の佐世保市を訪れる観光客の4割がハウステンボスに行きました」

多田「大成功、だったのですが…」

北辻「だんだんお客が減り始めて、ついに入場者数がピークよりマイナス100万人。さらに初期投資が重荷でずっと赤字でした。それで2003年、ついに破綻します。

ここで投資会社が乗り出して、中国、韓国、香港、台湾など、海外からお客さんを呼ぼうとなり、これがうまくいきました」

『花と光の感動リゾート』

北辻「しかし、2008年リーマンショックがあって、海外からのお客さんが減った。
ハウステンボスを潰すわけにはいかないという地元の要請で、登場したのがH.I.S.です」

多田「ここのトップの澤田さんがハウステンボスを甦らそうとして、これがうまくいきました」

北辻「12年前にH.I.S.が入ってきて、『花と光の感動リゾート』というキャッチコピーで、春はチューリップ、冬は東洋一のイルミネーション。
H.I.S.の下、最初の決算が開業以来初めての黒字になりました」

H.I.S.の不調

北辻「そこから順調だったわけですが、2年前新型コロナ感染拡大がありました。これはハウステンボスではなく、本体のH.I.S.が影響を受けた。
H.I.S.のこの春の中間決算、純損益が270億円の赤字、過去最大のマイナスです」

多田「なんとか立て直すためには持ってる資産を売却するしかない。頑張っているハウステンボスを売却して本体の赤字補填にしようと」

北辻「ハウステンボス自体の半期決算は4億円の黒字です。つまり、H.I.S.にとっては今が売り時ともいえます」

海外資本が買収?

多田「どこの業者が買うんですか?」

北辻「正式発表はまだですが、今のところ、香港などの海外の投資会社が売却先ではないかと言われています」

多田「海外でもいいですが、ちょっと寂しいですね」

北辻「長崎県も力をいれて地域密着でやってきましたから、その本体が海外になると雰囲気が変わるのかなと思いますね」

多田「近くの方のリピーターがゆっくりできるところだから、そういう経営を続けて欲しいですね」

ハウステンボスは日本を代表するテーマパークのひとつですが、曲がり角にきているようです。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年07月26日07時20分~抜粋

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