雨の日が続くと、いつの間にか生えているカビ。特に食パンは気になるところ。
捨てるのはもったいないし、対策はどうしたらいいのでしょうか?
7月19日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、カビの基本について、NPO法人カビ相談センター副理事長で、大阪府立大学微生物制御センター客員教授の久米田裕子さんに聞きました。
栄養分と水分があるところに
そもそもカビとは何でしょう?
久米田さん「ざっくりと言いますと、菌糸と胞子で成り立っている、目に見えないぐらい小さな生物です」
菌糸は糸みたいなもので、伸びていきます。その先っぽに種みたいな胞子をつけ、その胞子が風に飛ばされて、空気中に一定数いるんだそうです。
胞子が、食パンなど栄養分と水分があるところに落ちると、そこで芽を出して大きく成長します。
久米田さん「だから我々の目に見える大きさにまで育っていくわけですね」
カビが生えやすい条件
カビの生えやすさは、水分の量と栄養分で決まるんだそうです。
久米田さんによれば、水分のたくさんあるところの好きなカビ、ちょっとだけ乾いたところが好きなカビ、もうちょっと乾いたところが好きなカビの3種類に大別されるそうです。
例えば食パンには、水分がたくさんあるところが好きなカビと、ちょっとだけ乾いたところが好きなカビが生えてくるんだとか。
水分と栄養状況に応じて、3種類のカビが、それぞれ自分たちの住みやすいところで増えていくのだそうです。
食パン一斤諦めた方がいい
昨日は何ともなかった食パンにカビが生えていた場合、生えた部分だけ落として食べてもいいのでしょうか?
久米田さん「もったいないと思われるかもしれませんが、食べないでいただきたいですね」
カビの仲間にはカビ毒を出すカビもあるそうです。カビ毒の中には、なんと発ガン性のものも。
1回食べただけで、お腹が痛くなるとか、ガンになるという心配はないそうですが、カビは種類が多いので念のため用心した方がよいそうです。
久米田さん「どのカビがどれくらい毒素を出してるかわからないですから、とりあえずは食べないでいただきたいと思っています。
食パン一斤であれば諦めた方がいいかなと思います」
食パンをカビから守るには
食パンは、袋を開けると空気中のカビが食パンの中に入ってきます。
つまり、袋を開けた時間が長くなれば、それだけカビに汚染される時間も長くなるわけです。
カビを防ぐには、開けたらすぐ輪ゴムや、袋を止める小さい四角いバッグクロージャーですぐ留めることが肝心。
保存方法は冷蔵庫か冷凍庫に入れるのがよいそうです。温度を下げるとカビの発育は非常に遅くなります。
また、冷凍にするとカビは生えないそうなので、早めに冷凍してしまうのも手なんだとか。
雨の日の換気に注意
食べ物に限らず、カビの発生を防ぐためには、まずは換気をして水分が多い状態をなくすこと。
例えばお風呂などは換気して乾かします。
雨の日の場合、外の方が湿度が高いため、窓を開けて外の空気を入れると逆効果で、かえって部屋の中が湿ってしまいます。
では雨の降っている日、換気扇をつけて空気を入れ替えるのはどうでしょうか?
久米田さん「雨の日は換気扇も回さないし、窓も開けない方がいいです。外は湿度が100パーセント近くですからね。換気扇を回すと、中の空気を外に出す分、湿った空気がどこかから入ってきますから」
とにかくこの時期は空気中にカビの胞子が飛び交っているということ、特に雨の日の換気は控えること、この2点をしっかり覚えておきましょう。
(尾関)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年07月19日07時22分~抜粋