専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!～朝からP･O･N』（ＣＢＣラジオ）のコーナー「健康で生きる」。
7月のテーマは「脊椎の病気」です。
20日の放送では、大同病院・脳外科脊椎センター長で脳神経外科部長の中島先生が「腰の骨・腰椎（ようつい）の病気」を解説します。
腰椎（ようつい）の病気とは？
多田「腰椎の病気にはどんなものがありますか？」
中島先生「腰の骨に関する病気で頻度が高いものには、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎変性すべり症、腰椎変性側弯症などがあります。
腰椎は、主に頭のみを支えている頚椎とは異なり、頭部や上半身を支えており、動きも大きいため、荷重や運動による影響を受けやすいと考えられます」
多田「最近我々の周りにも腰が痛いという人が増えていまして、今の病気ってよく聞くようになりましたね。
では、もう少し具体的にそれぞれの病気について教えていただけますでしょうか？」
中島先生「腰部脊柱管狭窄症は腰椎の変形や神経の後ろ側にある黄色靭帯が肥厚することで、脊柱管という神経が通るトンネルが狭くなって腰椎の中を通る神経が圧迫されます」
多田「腰椎椎間板ヘルニアについて、もう少し詳しく伺ってもよろしいでしょうか？」
中島先生「はい、腰椎椎間板ヘルニアは頚椎の椎間板ヘルニアと同様に腰椎の間にあるクッション材としての椎間板が壊れ、神経の通る脊柱管に飛び出し神経を圧迫します。
また、壊れた椎間板自体も腰痛の原因になります。
腰椎変性すべり症や変性側弯症は椎間板が壊れたり、背骨を安定化する靭帯、筋肉が緩んでしまうことで腰椎の配列が悪くなったり、前後方向や左右方向にずれが起こるものです」
中島先生「腰の骨に関する病気で頻度が高いものには、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎変性すべり症、腰椎変性側弯症などがあります。
腰椎は、主に頭のみを支えている頚椎とは異なり、頭部や上半身を支えており、動きも大きいため、荷重や運動による影響を受けやすいと考えられます」
多田「最近我々の周りにも腰が痛いという人が増えていまして、今の病気ってよく聞くようになりましたね。
では、もう少し具体的にそれぞれの病気について教えていただけますでしょうか？」
中島先生「腰部脊柱管狭窄症は腰椎の変形や神経の後ろ側にある黄色靭帯が肥厚することで、脊柱管という神経が通るトンネルが狭くなって腰椎の中を通る神経が圧迫されます」
多田「腰椎椎間板ヘルニアについて、もう少し詳しく伺ってもよろしいでしょうか？」
中島先生「はい、腰椎椎間板ヘルニアは頚椎の椎間板ヘルニアと同様に腰椎の間にあるクッション材としての椎間板が壊れ、神経の通る脊柱管に飛び出し神経を圧迫します。
また、壊れた椎間板自体も腰痛の原因になります。
腰椎変性すべり症や変性側弯症は椎間板が壊れたり、背骨を安定化する靭帯、筋肉が緩んでしまうことで腰椎の配列が悪くなったり、前後方向や左右方向にずれが起こるものです」
症状にはこんなものが
多田「神経を圧迫するんですね。改めてお伺いしますが、どんな症状が出てくるのでしょうか？」
中島先生「腰部脊柱管狭窄症であれ、腰椎椎間板ヘルニアであれ、神経の圧迫が神経本幹なのか、本管から枝分かれした部分なのかによって症状が決まってきます。
腰の神経本幹が圧迫されると安静時には症状があまりありませんが、歩行などの運動時に下肢（足）の痛みやしびれ、腰痛が生じるため連続歩行ができなくなります」
多田「痛くなると運動がしたくないところですが、運動をしないとまた症状も出てくるんですよね？」
中島先生「しゃがんだり屈んだりしながら小休憩を挟まないと歩けなくなる、間欠性跛行という症状が出てきます。
これに対して、神経本幹から枝分かれした神経根という枝が、やや外側で圧迫されると左右どちらかの足の一部がしびれたり痛くなったり、力が入らなくなったりします」
中島先生「腰部脊柱管狭窄症であれ、腰椎椎間板ヘルニアであれ、神経の圧迫が神経本幹なのか、本管から枝分かれした部分なのかによって症状が決まってきます。
腰の神経本幹が圧迫されると安静時には症状があまりありませんが、歩行などの運動時に下肢（足）の痛みやしびれ、腰痛が生じるため連続歩行ができなくなります」
多田「痛くなると運動がしたくないところですが、運動をしないとまた症状も出てくるんですよね？」
中島先生「しゃがんだり屈んだりしながら小休憩を挟まないと歩けなくなる、間欠性跛行という症状が出てきます。
これに対して、神経本幹から枝分かれした神経根という枝が、やや外側で圧迫されると左右どちらかの足の一部がしびれたり痛くなったり、力が入らなくなったりします」
手術も種類が
多田「これら腰の病気の治療方法はどんなものがありますか？」
中島先生「まずは保存療法を行います。保存療法とは神経の血流を改善する薬や痛み止め、神経痛の薬などの内服治療のことです。
コルセットや腰椎バンドを使用し、腰の安静を守る外固定するものです。
その他、神経根ブロックや仙骨ブロックといったブロック注射などが含まれます。
これら保存療法で症状が良くならない場合は、手術治療になります」
多田「手術という言葉が出てきましたけども、やはり腰椎の手術も進んでいますか？」
中島先生「腰部脊柱管狭窄症では、神経を圧迫する骨を削り、脊柱管を拡げます。
腰椎椎間板ヘルニアでは飛び出した椎間板ヘルニアを取り除く手術を行います。
また、変性すべり症など腰のズレやグラつきが原因で耐え難い腰痛が起こる場合は、腰椎を金属のネジで固定したり、グラついた椎間板を取り除き、ケージと言われるブロックや自分の骨を椎間板に充填し、固定したりする必要があります」
中島先生「まずは保存療法を行います。保存療法とは神経の血流を改善する薬や痛み止め、神経痛の薬などの内服治療のことです。
コルセットや腰椎バンドを使用し、腰の安静を守る外固定するものです。
その他、神経根ブロックや仙骨ブロックといったブロック注射などが含まれます。
これら保存療法で症状が良くならない場合は、手術治療になります」
多田「手術という言葉が出てきましたけども、やはり腰椎の手術も進んでいますか？」
中島先生「腰部脊柱管狭窄症では、神経を圧迫する骨を削り、脊柱管を拡げます。
腰椎椎間板ヘルニアでは飛び出した椎間板ヘルニアを取り除く手術を行います。
また、変性すべり症など腰のズレやグラつきが原因で耐え難い腰痛が起こる場合は、腰椎を金属のネジで固定したり、グラついた椎間板を取り除き、ケージと言われるブロックや自分の骨を椎間板に充填し、固定したりする必要があります」
ニーズに合わせて
多田「お話だけ聞くとすごい手術だと感じますが、最近の手術はとても進んできているんですよね？」
中島先生「はい、最近では背骨の手術は低侵襲化と言って、極力傷を小さくし、筋肉などを壊さないようにする手術を取り入れることが多くなってきました。
具体的には、1cm以下の傷で手術が可能な脊椎内視鏡手術で、小さな傷から背骨に金属のネジを打ち込むような方法が盛んに行われるようになりました」
多田「椎間板ヘルニアにはまた違った方法があるんですよね？」
中島先生「椎間板ヘルニアに対しては、椎間板に針をさして、椎間板をしぼませる薬剤を打ち込む療法なども選択でき、患者様のニーズにあった治療選択ができるようになってきました」
今回は大同病院・脳外科脊椎センター長で脳神経外科部長の中島先生が「腰の骨・腰椎の病気」について解説しました。
次回のテーマは「骨粗しょう症による背骨の病気」です。
（海野 優）
中島先生「はい、最近では背骨の手術は低侵襲化と言って、極力傷を小さくし、筋肉などを壊さないようにする手術を取り入れることが多くなってきました。
具体的には、1cm以下の傷で手術が可能な脊椎内視鏡手術で、小さな傷から背骨に金属のネジを打ち込むような方法が盛んに行われるようになりました」
多田「椎間板ヘルニアにはまた違った方法があるんですよね？」
中島先生「椎間板ヘルニアに対しては、椎間板に針をさして、椎間板をしぼませる薬剤を打ち込む療法なども選択でき、患者様のニーズにあった治療選択ができるようになってきました」
今回は大同病院・脳外科脊椎センター長で脳神経外科部長の中島先生が「腰の骨・腰椎の病気」について解説しました。
次回のテーマは「骨粗しょう症による背骨の病気」です。
（海野 優）
関連記事
