多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

知っているようで知らない「背骨のバランスの大切さ」

専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)のコーナー「健康で生きる」。

7月は「脊椎の病気」をテーマに、大同病院・脳外科脊椎センター長で脳神経外科部長の中島先生が解説します。

7月6日放送分から。

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体を支える大黒柱

初回となるこの日は「背骨のバランスの大切さ」についてお聞きしました。

多田「背骨は、少し難しく言うと脊椎と言うんですよね?背骨は1本の骨ではなく、いくつかの骨が並んでいるんですか?」

中島先生「背骨は、解剖学的には脊椎と呼びます。脊椎は頭蓋骨に続き、7個の頚椎、肋骨がついている12個の胸椎、5個の腰椎、お尻や骨盤を形成する5個の仙椎と3~5個の尾椎の構造から成り立っています」

多田「頭の下からいくつもの背骨が並んでいて、全体で脊椎と呼ぶとのことですね。背骨・脊椎の構造は、中は管なんですよね?」

中島先生「脊髄は脊柱管と呼ばれる脊椎のトンネル状の構造になっていて、この脊椎の中には脳からつながっている脊髄と呼ばれる太い神経が通っています。

その脊椎から椎間板=脊椎の間のクッションである脊髄本幹から左右に神経根という神経の枝が出ているという状態です」

多田「非常に大事な物ということですね。単に身体を支えるだけではなく神経の束を守っているのが背骨なんですね」

中島先生「そうですね。神経系の保護、頭から胴体を支える大黒柱、そして身体の動きを支えるための柱として動きがあります」

運動能力の低下にも…

多田「そして、この背骨のバランスが非常に大事だということですが、脊椎のバランスというものはどういうことなのでしょうか?」

中島先生「脊椎の正常なバランスは、正面から見ると直線状、横から見ると頚椎では前弯と言われる前へ弧を描くカーブ、胸椎では後弯・つまり後ろへのカーブ、腰椎は前弯、仙尾椎では後弯とS字カーブが連続するような形でバランスをとっています」

多田「このバランスが崩れるとさまざまな病気になってしまうと。非常に大切だということですね」

中島先生「はい。脊椎の生理的なバランスを保つことで、人間は無理なく運動することが可能になります。
脊椎のバランス不良は、人間の運動能力の低下や痛みの原因となってしまいます」

筋肉の維持のために…

多田「バランスを保つために普段から自宅などでできることはありますか?」

中島先生「我々は、日々の診療業務を通して、患者様にスローガンとして『輝かしい背骨の経年変化』を迎えていただきたいと考えております」

多田「経年変化ということで、歳を重ねるにあたって良い意味での変化を迎えてほしいとのことなんですね」

中島先生「そのためには、まず背骨を支える筋肉の維持が重要と考えます。
特にインナーマッスルと言われる腹筋、背筋や背骨周囲の筋肉群を鍛えることが重要です。

スポーツジムなどで筋トレを十分行うことが可能な方はよいですが、一般の中高年の方に筋トレと言ってもなかなか難しいと思います。

しかし、食事で使用する椅子と机を利用したり、寝ながらできる簡単な筋トレでも持続することで十分な効果があります。

例えば、両手を机について、椅子から立ったり座ったりを10回程繰り返すだけでも十分なスクワット効果が得られます。
両膝を立て仰向けになり、両手で後頭部を支えながらお臍を10秒間見るだけでも十分な腹筋運動になります」

継続が重要

中島先生「また、膝を立てて仰向けになり、両手をお尻の横についてお尻を少し浮かし、10秒キープするだけでも十分な背筋の運動になります」

多田「まずこのトレーニングをどのくらい続ければ良いのでしょうか?」

中島先生「これらの筋トレは数回では効果は出ませんが、1か月も継続すると十分な効果が期待できます。中高年の筋トレは持続することが重要です。

また、腰や骨盤周囲の筋肉の硬さは腰痛の大きな原因と考えられます。

お尻や腰回りのストレッチも腰痛予防としては非常に重要と考えており、特にお尻周りは腰痛の原因となりますので、柔らかくすることでも腰痛は軽減していきます」

大同病院・脳外科脊椎センター長で脳神経外科部長の中島先生が「背骨のバランス」について解説しました。
次回のテーマは、より具体的な背骨の病気のお話として「首の骨・頸椎の病気」となるそうです。
(海野 優)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年07月06日08時17分~抜粋

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