今年は早くに梅雨が明け、全国的に記録的な猛暑が全国を襲っています。
特に6月下旬は、統計を取り始めてから過去最高の気温を記録したという地点もあり、熱中症対策が急務。
そのような状況で、7月1日における予想最高気温で日本一に挙げられたのが名古屋でした。
日本一暑い場所といえば埼玉県熊谷市や岐阜県多治見市が挙げられますが、なぜこの日は名古屋と予想されたのでしょうか?
7月1日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、気象予報士でもある沢朋宏アナウンサーが、その理由について解説しました。
東海と関東は暑くなりがち
最初に沢は基本的な予備知識として「濃尾平野と関東平野は暑くなりやすい」と語りました。
ともに南に開けていて工業地帯もあり、人口が集積している地域であるため、地球温暖化に加えてヒートアイランド現象が起こり、暑くなりやすいのだそう。
では、その地域の中でもなぜ特に名古屋が1位になったのでしょうか。
実はここ数日、東海地方のさまざまな街が僅差で1位を取っていないだけで、10位以内には東海地方の街が多数ランクインしていたとのこと。
ニュース番組などでは「今日、日本で1番暑くなった場所は〇〇」などと、スポーツイベントの銀メダルや銅メダルみたいに2位や3位は報じられず、日本一の場所しか報じられませんので、多くの人は1位の場所しか印象に残りません。
しかし、2位以下には東海地方が結構並んでいたというわけで、7月1日の予想ではトップに躍り出たわけです。
観測方法が原因?
日本の気象庁は140年以上前から気温の観測を行っていますが、その歴史の中で最も高い気温を記録したのが、静岡県浜松市と埼玉県熊谷市でともに41.1度。
東海と関東が並び立っていますが、上位20位までを並べてみても、東海と関東でかなりの割合を占めています。
これが名古屋が日本一と予想された理由ですが、沢はその他に予想の方法にも理由があると言います。
気象庁の観測地点は全国に900か所ほどあるものの、あくまでも気温の予想を出すのは、愛知県では名古屋と豊橋のみで、全国でも90か所ほどしかありません。
そのため、名古屋がたまたま大都市かつ予想が40度という大台に乗ったため、印象的に報じられたという面があります。
もしかすると、愛知県でも豊田で予想をすると40度を超えるかもしれません。
40度超えは外れたものの
なお、実際に名古屋で40度を超えたことがあるのは、2018年8月3日の一度だけ。
この予想が当たっていれば、史上2度目の40度超えとなるところでしたが、実際の最高気温は38.4度と40度超えとならず。
ホッとしたところですが、それでもかなり暑いことに変わりはありません。
また、この番組が放送されていた7月1日の朝8時時点で日本一だったのは、三重県津市で32.0度。
「海が近くにあってなぜ暑いの?」という新たな疑問が生まれてしまい、沢にとって宿題のようになってしまいました。
(岡本)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年07月01日08時04分~抜粋