多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

とにかく早期発見が大事!こどもの病気「胆道閉鎖症」とは?

専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する、CBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』のコーナー「健康で生きる」。

6月のテーマは「こどもの病気」です。


6月29日の放送では、「胆道閉鎖症」について大同病院・小児外科部長の千馬先生が解説します。

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胆道閉鎖症とは?

多田「胆道閉鎖症とはどんな病気なのでしょうか?」

千馬先生「胆道閉鎖症とは、肝臓で作られる胆汁という消化液を腸に流すための管胆管が、生後間もなくつぶれてしまって胆汁が流れなくなる病気です。

この胆汁には、うんちに色を付ける成分も含まれているのですが、これが腸に出ずにからだに溜まるようになるので、うんちの色は薄くなり、身体は黄色くいわゆる黄疸になります」

多田「胆管がつぶれてしまうのですね。いったい原因は何なんですか?」

千馬先生「何かが原因で胆管に炎症が起きて胆管がつぶれてしまうといわれていますが、実は正確なことはわかっていないんです」

稀な疾患

多田「割合としては高いのでしょうか?」

千馬先生「患者さんは1万人に1人程度、2021年に日本では84万人生まれているので、日本で年間に80人くらいしかいない、非常に稀な疾患となりますね」

多田「稀な病気でも大変な病気だから見つけてあげないといけないですよね。この病気の発見方法はありますか?」 

千馬先生「はい。うんちの色がだんだん薄くなってくるのが一番最初の発見方法です。

時期は、生後数週間から遅くても4か月程度までの時期で、発見が早ければ早いほどいいと言われています」

多田「ということは、保護者の方がオムツの処理をする時にも、ちゃんとうんちを見て、それでわかるわけですから、大事なことなんですね」

手術でダメなら肝移植も

多田「そして万が一、胆道閉鎖症という事がわかったら治療方法はどのようになりますか?」

千馬先生「この胆道閉鎖症は、手術をしないと治りません。
しかし手術をしても、すでにそこまで悪くなってしまった肝臓自体が良くなるということがなく、基本的には胆管がつぶれてしまっているので、肝臓にどんどんダメージが溜まっていきます。

なので手術をしてもうまく治らず、最終的には肝臓を取り替える、つまり肝移植が必要となってくることも時々あります」

一日も早く小児科へ

多田「相当これは重篤な病気になる可能性があるということですので、早期発見・早期治療が大事なんですよね?」

千馬先生「はい。そのために実は母子手帳の真ん中あたりに、赤ちゃんのうんちの色を示したページがあります。

濃い茶色から薄い白まで、カラーのスケールがありますが、実はこれが胆道閉鎖症を早期発見するための、わたしたち小児外科医からの切実なメッセージなんです。

通常赤ちゃんのうんちの色は、黄色または黄土色が多いと思いますが、その色が薄く白っぽくなってきたなと思ったら、一日も早く小児科、小児外科の方に受診していただきたいと思っています」 

今回は大同病院・小児外科部長の千馬先生が「胆道閉鎖症」を解説しました。
来月のテーマは「脊椎の病気」の予定です。
(海野 優)
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2022年06月29日08時11分~抜粋

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