『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』、気象予報士でもある沢朋宏アナウンサーがリスナーの質問に答える「沢君教えて!」のコーナー。
6月29日の放送には、「なんでこんなに暑いの?」というおたよりが多く寄せられました。
まだ6月だというのに、この日の名古屋の最高気温は36度。関東地方の内陸の方では、39度まで上がるところもあるんだとか。
本当に、今年はどうしてこんなに暑いのでしょうか。
夏至の太陽パワーを梅雨雲が防御
「なんでこんなに暑いの?」と単刀直入に尋ねる多田しげおに、「梅雨が明けたからですね」と沢。
その心は?
沢「梅雨ならば雲が覆っていて、このギラギラの太陽のパワーを届けずにすむから」
梅雨が明けたことで雲のカバーがなくなり、「全部注ぎまくり状態」になってしまっているというのです。
沢「夏至直後の太陽のパワーって、これなんです」
太陽の位置からすると、夏至のころは地球に太陽光が最も降り注ぐ時期なので暑くて当然。
沢「日本列島の位置がちょっとずれていたりして、梅雨の雲がかからない位置だったら、毎年6月はこうなってるんですよ」
夏至のころは、本来は最も暑い季節。これまでは梅雨雲によって太陽光がさえぎられるため、そこまで気温が上がらなかっただけなのです。
雨が降るまで「貯熱」する
今年のような早い梅雨明けは、近年では4年前の2018年。この時は埼玉県熊谷市で、国内の観測史上最高気温を5年ぶりに更新する41.1度を記録。他の地域でも40度超えが続出した年でした。
沢「ざっくりいうと、梅雨が早く明ける年は猛暑が7月中にバンバン起きやすくなる」
今年も油断できません。
暑さが続く理由は、他にもあります。
沢「暑さは貯熱してしまうんです。特に都市部」
貯熱とは夜に気温が下がりきらないまま、また翌日温められてしまう状態のこと。
沢「ホットプレートをいったん冷まして、『もう閉まっていいぞ!』の前にもう1回火を入れる、みたいな感じ」
次に雨が降るまでは、「気温が下がりきる前に上がる」が繰り返される、つまり「逃げ場がない」状態なのです。
明けさせざるを得ない梅雨だった
梅雨入り・明けは気象庁が決めただけのことで、実は「天気予報」においてはあまり意味をなしません。梅雨が明けた=「もう雨が降らない」という意味ではないのです。
沢によると、今回は「明けさせざるを得ない梅雨だった」といいます。
梅雨明けとは通常「大雨の警戒シーズンから抜けましたよ」という意味。同時に「熱中症に注意してくださいね」という意味もあります。
今年はまだ大雨のシーズンは終わったわけではありませんが、「熱中症に警戒をしないとあまりにもまずい。こちらを優先しないとやばいだろう」ということで、明けさせざるを得なかったというのです。
災害レベルの大雨が降るかも
熱中症への注意をより印象づけるために、気象庁は梅雨明け宣言をしました。
沢いわく「2度目の梅雨はまたやってくる」。災害レベルの大雨が降る可能性もありますが、その場所は断定できません。
沢「日本の気象庁は、スーパーコンピュータ富岳を使っても、2週間先までしか読めない」
本当に一番リスクが高いのは、今から3~4週間先。「だから気は抜かないで、っていうことです」と、まとめた沢でした。
(minto)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年06月29日08時39分~抜粋