多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

こどもの病気「臍(へそ)ヘルニア」とは?

専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)のコーナー「健康で生きる」。

6月のテーマは「こどもの病気」です。


6月22日放送分では、大同病院・小児外科部長の千馬先生がこどもの「臍(へそ)ヘルニア」について解説します。

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臍ヘルニアとは?

多田「臍ヘルニアとは、いったいどういうものなのでしょうか?」 

千馬先生「臍ヘルニアとは、いわゆる『出べそ』のことです」

多田「これも病気と捉えるんですね?」

千馬先生「はい、臍の部分がぷくっと膨らんでいる状態のことを言いますが、腸がそこにはまり込んでしまってということが、非常に稀ですがあるんです。

また、出べそは見た目にもあまりよくないので、治療を希望される方が結構いらっしゃいます」

多田「腸がそこにはまり込んでいれば、大変な病気につながる可能性もあるわけですね。それではなぜ出べそになるのでしょうか?」

千馬先生「よく言われるのが、へその緒の切り方が悪かったからなったのではないか、ということがよく言われます。

しかし、切ったへその緒の赤ちゃん側の方は、臍から自然に脱落して大切に保管されているご家庭も多いと思いますが、実は臍というのはへその緒の切った部分ではないので、臍ヘルニアの原因というのは実は切り方ではなく、お腹の壁にもともとへその緒の血管が通っていた穴が問題になってきます。

なので穴が開いてることによって、お腹の中から腸が出てくるということなんです」

手術の場合も

多田「その穴が開いていることは当たり前なのでしょうか?」

千馬先生「もともとお母さんのお腹の中にいる間に必ず全員開いています。
ただそれが塞がって生まれてこないといけないのが、うまく塞がらなかったりして、生まれてきてからまた膨らんでくるということなんです」

多田「穴はやがては塞がるのが普通なのでしょうか?」

千馬先生「生後1年ほどまでにおよそ90%程度はお腹の壁の穴が閉じて治ります。

しかし、それ以降にも治らない場合や、穴は閉じておへそは膨らまなくなったけれどもおへその皮膚が伸びてしまって不恰好になってしまった、という場合には手術を行ったほうがきれいに仕上がりますね」

検診で発覚することも

多田「1歳を過ぎたあたりから、保護者が表面から見ておかしいなとわかるものでしょうか?」

千馬先生「はい、結構わかります。おへその形が変だとか、プニプニしている状態や、1歳の検診でも結構見つかることが多いです」

多田「我々の世代は『出べその子はおへそに絆創膏を貼っておけばいいじゃない』なんて言いますが、あれってやってもいいのですか?やらない方がいいのですか?」

千馬先生「おへそを圧迫する治療は、臍ヘルニアを治す、つまり筋肉の穴を閉じるのにはあまり効果はありませんが、臍が膨らんで皮膚が伸びるのを防ぎ、自然に治った臍の形をきれいにする効果があるといわれています」

簡単な手術が可能

多田「なるほど。穴が自然に治らない場合は、それではダメですよ、という事ですか?穴が治らない場合の治療方法は手術になりますか?」

千馬先生「はい。治らない場合には手術でおへそを切って、そこからおへその奥に開いている穴があるので、それを縫い閉じてあげて、おへその形をきれいに治すというような感じの手術になります」

多田「お話だけ聞くと大層な術法に感じますが、今はそれは確立した術法なのでしょうか?」

千馬先生「はい。それは昔から行われている手術なので、手術の時間も30分ぐらいでできますし、僕らからすれば難しい手術ではないと思いますね」

今回は大同病院・小児外科部長の千馬先生による「臍ヘルニア」のお話でした。
次回のテーマはこどもの「胆道閉鎖症」についてです。
(海野 優)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年06月22日08時12分~抜粋

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