多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「こどもの便秘」原因や治療法、保護者が出来ることは?

専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説するCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』のコーナー「健康で生きる」。

6月のテーマは「こどもの病気」です。今回は便秘をテーマに大同病院・小児外科部長の千馬先生が解説します。

6月15日放送分から。

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こどもの便秘について

多田「お子さんでも便秘って結構多いんでしょうか?」     

千馬先生「そうですね。小児外科に紹介されてくる患者さんの中には、手術が必要な病気以外にも、小児科のクリニックなどでコントロールがうまくいかなくなった便秘で紹介されてくるような子もいます」

多田「だいたいこどもの何%ぐらいが便秘の傾向にありますか?」

千馬先生「いろんな報告や研究はありますが、日本人のこどものうち5~20%が便秘と報告されています」

多田「お子さんが言えずに悩んでいることもありそうですよね。そして便秘も外科なんですか?」

千馬先生「そうなんです。実は頑固な便秘の中には、手術でしか直せないような病気が隠れているようなことがあるんです。

腸管を動かす神経が届かず、腸をうまく動かすことができない病気などの手術でないと治せない病気が隠れていることがあるので、なかなか治らない、浣腸をしないと便が出ないなどの便秘に対しては、小児外科医など専門の医師がしっかり検査をしてあげることが必要になる場合があります」

早めの治療を

多田「そういう便秘は手術ということになりますか?」

千馬先生「普通の便秘であれば手術は必要なくて、お薬を使って治します。

例えば、腸を動かす神経が発達しておらず、腸をうまく動かすことができない病気は手術でしか治せないので、そういった病気が隠れていないか調べる必要があります」

多田「こどもが便秘になってしまう原因で多いものはどういったものでしょうか?」

千馬先生「原因として、成人と同じような食生活や、こどもはよく汗をかくので、脱水ということもあります。

他にも例えば、学校が始まったなど環境の変化などによるストレスや、あと一番問題になってくるのは厳しすぎるトイレトレーニングですね。

失敗するたびに怒られてしまって、うんちをすること自体が嫌になってしまい、嫌になると余計に便秘がひどくなってしまうんです。

どんどん便秘がひどくなると、今度は柔らかいうんちしか出てこなくなり、漏れ出てくるような下痢が出てくるというようになり、そうなってくると我慢もできなくなり、大きなっても全然おむつが外せなくて、最終的には社会生活が送れなくなってしまうということもあります」

多田「小児のうちに早く発見、治療してあげることが大事なんですね」

再発も多い病気

多田「便秘の治療はどうすればいいのでしょうか?」

千馬先生「まずは肛門の近くにたまってしまった硬い便を、浣腸などで取り除くことから始めます。
それでも取り除けない場合は、お尻から直接指で掻き出すようなこともあります。

塊がなくなったあとは、それで終わりではなくその状態を維持できるように、内服薬や浣腸を使うことで治療を行っていきます」

多田「大人の便秘に比べたら回復しやすいものですか?」

千馬先生「お子さんの場合もかなり時間をかけてゆっくりゆっくりと治療をしていかないと、なかなか治らないんです。
ただすごく長く期間がかかる割には再発もしやすくってということもありますね」

保護者の理解が大事

多田「このあたりは保護者の方もしっかり理解しないといけないですね」

千馬先生「ある程度余裕がある時期にトイレトレーニングをしていただくということも大事になってくると思います。

こどもの便秘についてなど、これらの病気について大同病院のホームページやInstagramでも病気や治療の紹介をしていますので、大同病院小児外科で検索していただけると出てくるかなと思います」

今回のテーマは大同病院・小児外科部長の千馬先生による「こどもの便秘」でした。
次回のテーマは「こどもの臍ヘルニア」を予定しています。
(海野 優)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年06月15日08時17分~抜粋

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