多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

アジサイの色は何で決まるの?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』「愛ちゃんと田中先生」は加藤愛アナウンサーが、甲南大学の特別客員教授 農学博士の田中修先生から植物全般に関するあれこれを学ぶコーナーです。

6月9日の放送では、2人の初対面が実現!京都府立植物園で植物を眺めながら、この季節の花・アジサイについて教えてもらいました。

こちらでは、アジサイの色の秘密について取り上げます。

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青くないアジサイにビックリ

アジサイは日本原産の花。江戸時代に長崎の出島にいたオランダ人医師・シーボルトがヨーロッパに紹介したことで世界に広がりました。

その後アジサイはヨーロッパで品種改良され、「西洋アジサイ」という名前で日本に里帰りをします。この時日本人が驚いたのは、アジサイの色でした。

日本のアジサイは青みがかっていますが、ヨーロッパから戻ってきたアジサイはなんと赤が強く出ていたのです。

アジサイの名前は、もともと「藍色が集まったもの」を意味する「あずさあい(集真藍)」からついたもの。当時の日本人たちは、青くないアジサイに驚いたそうです。

「色の秘密は土壌にあった!」

アジサイの色は「アントシアニン」という色素が関係しています。

アントシアニンは、土の中にあるアルミニウムを吸収した場合は青くなり、吸収できなかった場合は赤色になります。

日本の土壌は酸性ですが、ヨーロッパの土はアルカリ性。アルミニウムは酸性の土には溶けますが、アルカリ性の土には溶けないため、日本のアジサイは青く、ヨーロッパのアジサイは赤くなるというわけです。

「色の秘密は土壌にあった!」とまとめた加藤に、「その通りです!うまいこと言わはりますね!」とうれしそうな田中先生。

日本で赤いアジサイを咲かせる方法

それではなぜ、日本の土は酸性なのでしょうか。

それは、日本はヨーロッパに比べて雨が多いため。土の中にあるアルカリ性を出すミネラル(カルシウム・カリウム・マグネシウム)が、流れて行ってしまうのです。

一方ヨーロッパの土には、アルカリ性になるミネラルがたくさん含まれています。

つまり日本で赤いアジサイを咲かせるには、アルカリ性の土で鉢植えにすればよいというわけです。

しかし、ここでもうひとつ疑問が生まれます。それは「同じ株なのに、青だけでなく赤っぽい花が咲いている場合」。これは実際に加藤も見たことがあるそう。

色の違いは根の張る場所の違い

これはアジサイの根に秘密がありました。

日本の土が酸性であるとはいえ、その程度はさまざま。アジサイの根が土の中のいろいろなところに張っているため、同じ株であっても色の違いが出てくるというわけです。

「根がどこを吸ってきたかによって、どんな色が咲くかっていうことがあるんです」という田中先生の言葉で、「土は本当にいろいろ混じりあっているものだから、それによって色が決まるということですね」とアジサイの色の秘密をしっかり理解した加藤。

「『こういう色のアジサイを作りたい』と思ったら、土を工夫すれば色は自由自在に操れるんですね!」と、アジサイの仕組みに興味津々の加藤でした。
(minto)
 
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2022年06月09日08時29分~抜粋

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