多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

海外でイヌ・ネコにかまれたら狂犬病と思うべし

農林水産省は、ウクライナからの避難民が連れてきたペットについて、通常設けられる180日以上の待期期間を免除しました。
このことから、最近「狂犬病」が注目されています。

6月7日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、岐阜大学の人獣共通感染症学研究室の教授・伊藤直人先生が「狂犬病」について解説します。

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99パーセント以上がイヌから

伊藤先生「狂犬病はウイルスを原因とする感染症のひとつで、動物からヒトに感染する、いわゆる人獣共通感染症と呼ばれるものの典型的なものです」

犬という漢字が名前に入っていのですが、イヌだけでなく、ヒトを含むすべての哺乳動物に感染する病気だそうです。

一般的にヒトが狂犬病に感染する経路は、イヌからが99%以上。
感染した動物は症状の一つとして、凶暴になります。
その動物がヒトを噛むと、唾液に入ってるウイルスが傷口からヒトに感染するんだそうです。

ヒトが感染したら

狂犬病はイヌに限った病気ではありません。ヒトに感染した場合はどのような症状が出るのでしょうか?

伊藤先生「いわゆる身体の電気系統ですね、神経が侵されていって痙攣だとか麻痺。あるいは、先ほどイヌが凶暴になるといったように、不自然に興奮したりします」

こういった症状が出てしまうと、ほぼ100%死に至るとのこと。
狂犬病は、現時点で確実な治療法がないという非常に恐ろしい感染症のひとつなのです。

潜伏期間にワクチン5回

では噛まれたら必ず死ぬのかと言えば、そうではありません。助かる方法がありました。

伊藤先生「イヌなどの動物に噛まれて、だいたい2~3カ月経ってから症状が出てくるということになります」

つまり2~3か月の潜伏期間に手を打てば、発症を抑えることが可能です。
長い潜伏期の間に、集中的にワクチンを打てば、ほぼ確実に防げるそうです。

噛まれた日を0日とすると、0、3、7、14、28日と5回に渡るワクチン接種が標準的な予防法。
この約1ヶ月の治療で、ほぼ発症を防ぐことができるそうです。

海外の状況は?

日本で最後に狂犬病が確認されたのは1957年(昭和32年)で、根絶された病気です。
海外の状況はどうなのでしょう?

伊藤先生「アジアやアフリカの多くの発展途上国で、だいたい年間59,000人が狂犬病によって死亡しているという現状です」

特に発展途上国では、「犬に嚙まれた=感染した」と思えというレベルで観戦しているのです。

噛まれたら即、病院へ

「海外で動物に噛まれた時は、もしかしたら感染しているかもしれないという前提で、ワクチン接種をすぐに始める必要があります」

特に狂犬病流行国に行った場合には、日本と同じ感覚でイヌやネコに不用意に近づかないことが大切。
噛まれたのに、感染している可能性を全く考えず帰国、潜伏期が過ぎて発症したという例があります。

1970年、ネパールからの帰国者で1例。2006年、フィリピンからの帰国者で2例。そして2020年、フィリピンからの入国者で1例確認されています。

「とにかく噛まれたら狂犬病のリスクを考えて、できるだけ早く病院を受診していただく。現地で行っていただくのが一番いいと思います」

狂犬病が当たり前に広まっている国もあります。海外でもしイヌに噛まれたら、すぐ病院へ行きましょう。
(尾関)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年06月07日07時16分~抜粋

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