専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)のコーナー「健康で生きる」。
6月は「こどもの病気」をテーマに、大同病院・小児外科部長の千馬先生が解説します。
聞き手は多田しげおです。6月8日放送分から。
こどもの脱腸?命にもかかわる「鼠径へルニア」
鼠径ヘルニアとは?
今回取り上げるのは、こどもの「鼠径(そけい)へルニア」。
多田「どういう病気なのでしょうか?」
千馬先生「いわゆる成人でいう脱腸というやつです。鼠径とは足の付け根のことをいうのですが、男性ならそこから陰嚢の方までのあたりが膨らむ病気です」
多田「大人とこどもでは原因が違うとのことなのですが…?」
千馬先生「成人では、年齢に従って徐々に腹筋が弱くなって、その弱くなった部分から腸管などの内臓がはみ出るようになってこのような症状が出ます。
小児では少し成り立ちが違って、お母さんのお腹の中にいる間に身体の構造が出来上がっていきますが、その際にできた隙間が残ってしまうと、その隙間に腸管などが飛び出してきてこのような症状を引き起こしてしまうんです。
本来ならその隙間は埋まらなくてはいけないのですが、塞がらずに残ってしまったりだとか、そういったことからはみ出してしまうんです」
多田「大人とこどもではまったく背景が違うんですね」
多田「どういう病気なのでしょうか?」
千馬先生「いわゆる成人でいう脱腸というやつです。鼠径とは足の付け根のことをいうのですが、男性ならそこから陰嚢の方までのあたりが膨らむ病気です」
多田「大人とこどもでは原因が違うとのことなのですが…?」
千馬先生「成人では、年齢に従って徐々に腹筋が弱くなって、その弱くなった部分から腸管などの内臓がはみ出るようになってこのような症状が出ます。
小児では少し成り立ちが違って、お母さんのお腹の中にいる間に身体の構造が出来上がっていきますが、その際にできた隙間が残ってしまうと、その隙間に腸管などが飛び出してきてこのような症状を引き起こしてしまうんです。
本来ならその隙間は埋まらなくてはいけないのですが、塞がらずに残ってしまったりだとか、そういったことからはみ出してしまうんです」
多田「大人とこどもではまったく背景が違うんですね」
割合は?
多田「この病気の割合はどのくらいでしょうか?」
千馬先生「だいたい20~50人に1人と言われておりまして、つまり学校のクラスに1人程度はいるかなというぐらいだと思います」
多田「男女比はどうでしょうか?」
千馬先生「3:2で男の子の方が多いです。また、早産児に多い病気ですね」
多田「病気になりやすい時期や年齢はどうなっていますか?」
千馬先生「症状が出る時期はさまざまで、生まれた時からある場合もあれば、小学生や中学生になってから症状が出る場合もあります。あとは身体の右側に出ることが多いんです」
千馬先生「だいたい20~50人に1人と言われておりまして、つまり学校のクラスに1人程度はいるかなというぐらいだと思います」
多田「男女比はどうでしょうか?」
千馬先生「3:2で男の子の方が多いです。また、早産児に多い病気ですね」
多田「病気になりやすい時期や年齢はどうなっていますか?」
千馬先生「症状が出る時期はさまざまで、生まれた時からある場合もあれば、小学生や中学生になってから症状が出る場合もあります。あとは身体の右側に出ることが多いんです」
治療法は…
多田「この病気の治療法はどういったものがありますか?」
千馬先生「まず、なんで治療しないといけないのか、ということから説明すると、飛び出た腸管が隙間にはまり込んでしまって抜けなくなると、その腸管が首を絞められたような感じになります。
これを鼠径ヘルニアの『陥頓(かんとん)』というのですが、これが起きるとその腸管には血液が行かなくなってしまい、とても痛くなります。
そのまま放っておくと命にかかわるようなこともあります。
この鼠径ヘルニアの陥頓を予防するために、治療や手術をする必要があります」
千馬先生「まず、なんで治療しないといけないのか、ということから説明すると、飛び出た腸管が隙間にはまり込んでしまって抜けなくなると、その腸管が首を絞められたような感じになります。
これを鼠径ヘルニアの『陥頓(かんとん)』というのですが、これが起きるとその腸管には血液が行かなくなってしまい、とても痛くなります。
そのまま放っておくと命にかかわるようなこともあります。
この鼠径ヘルニアの陥頓を予防するために、治療や手術をする必要があります」
傷も目立ちにくい!
千馬先生「隙間を埋めてしまうといった形で、昔から行われている方法としては、足の付け根を2cm程度切開してその隙間を修復する手術です」
多田「その部分を縫い合わせて縛るというイメージですか?」
千馬先生「そうですね。まさにそのイメージ通りです。
近年では、腹腔鏡を用いた傷の目立たない手術も行われてきています。
おへそからカメラとマジックハンドのようなものを入れて操作をすることで、隙間を縛って塞ぐ手術になります。
ホームページやInstagramでもこのような病気や治療の紹介をしていますので、参考にしていただければと思います」
大同病院の小児外科部長・千馬先生 による「こどもの鼠径ヘルニア」のお話でした。
次回のテーマは「こどもの便秘」についてとのことです。
(海野 優)
多田「その部分を縫い合わせて縛るというイメージですか?」
千馬先生「そうですね。まさにそのイメージ通りです。
近年では、腹腔鏡を用いた傷の目立たない手術も行われてきています。
おへそからカメラとマジックハンドのようなものを入れて操作をすることで、隙間を縛って塞ぐ手術になります。
ホームページやInstagramでもこのような病気や治療の紹介をしていますので、参考にしていただければと思います」
大同病院の小児外科部長・千馬先生 による「こどもの鼠径ヘルニア」のお話でした。
次回のテーマは「こどもの便秘」についてとのことです。
(海野 優)
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