多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

栃木なのに「ビルマ汁」?ソウルフードになった戦地の味

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』、全国のさまざまな地域の話題を紹介する「日本全国おはようさん!」のコーナー。

6月2日の放送では、栃木県益子町のソウルフード「ビルマ汁」を取り上げました。ビルマ汁とは、さまざまな野菜がたっぷり入ったカレー風味のスープのこと。なぜ栃木なのにビルマなのでしょうか?

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忘れられなかったビルマの味

ビルマ汁は元々、益子町在住の飯塚さん宅の家庭料理。この家庭料理がいつしか町中に広がり、今では学校給食にも登場するほどポピュラーな食べ物となりました。

ビルマ汁が益子町にひろがったいきさつについて、ビルマ汁の本家、飯塚フミさんにお話を伺いました。

飯塚さんは飯塚家に嫁いで50年になりますが、飯塚家では70年以上前からビルマ汁を食べていたといいます。

ビルマ汁は、飯塚さんの義父・飯塚潤一さんが作ったスープ。戦争で行ったビルマ(現ミャンマー)で食べた味が忘れられず、潤一さんが帰国後に再現したものです。

「ひょっとして現地で義理のお父さんの命を繋いでくれた食べ物だったかもわからない」と、思いを馳せる多田しげお。

以降、ビルマ汁は飯塚家の家庭料理となっていました。

「ビルマ汁って知ってっかい?」

ビルマ汁は、夏の食べもの。夏野菜の代表格であるナス、トマト、インゲンのほか、ジャガイモ、ニンジン、タマネギなどがたっぷり入っています。

飯塚さん「私が嫁いだころは、ナスとかトマトをたくさん農家にいただいたので、作らざるを得ない感じで何回も作ってました」

このように元々は飯塚家の家庭料理だったビルマ汁ですが、現在では益子町のソウルフードとなり、多くのお店で提供されています。

多田「これ、ひょっとしてフミさんが広めたの?」

飯塚さん「いや(笑)。私ではなく、益子町商工会青年部で『おめえら、ビルマ汁って知ってっかい?』って話が出たらしいのね」

「なんだい、それ?」ということで話が盛り上がり、青年部がこのビルマ汁を推進する活動を行ってくれるようになったそうです。

2年連続で講習会を開催

「作ってくれるのはうれしいんですが、全く違った形でビルマ汁を出されるのが一番嫌だった」と飯塚さん。

飲食店の方を集め、飯塚さん自身が2年連続で講習会を開いて、飯塚家のビルマ汁を浸透させました。

多田「やっぱりフミさんが広めた味ですね!」

飯塚さん「ありがとうございます」

小学校・中学校の給食にも登場するビルマ汁。

多田「こどもの頃にそれを食べると味が刷り込まれて。ずっとこれから先、益子町の味ですね」

飯塚さん「ありがたいと思います」

ビルマ汁から学ぶこと

こどもたちは給食でビルマ汁を知っているものの、その親世代はわかりません。

飯塚さん「『お母さんビルマ汁作ってよ、って言われても作れない』っていうお話は何度か聞いてるんですけど」

多田「フミさん、また教えに行かないかん」

飯塚さん「本当に簡単ですから、教えてあげたいなと思っております」

太平洋戦争で生死をかけた戦争が行われていた。益子町からビルマに戦争をしに行っていた人がいた。ビルマ汁を通して、こどもたちが学ぶことはたくさんあります。

作り続けたことに意味があった

「フミさんにとって、このビルマ汁っていうのはどういうもの?どんな思い出があるものなんですか?」こう尋ねた多田に、「私も嫁いで教わったものだけれども、1年も休まず作り続けてきたことに意味があったかなと思いますね」と飯塚さん。

ビルマ汁は、飯塚さんが嫁いだあとの人生そのものだったといえます。

「これからもおいしいビルマ汁を。益子町の味どころか、日本の味にぜひ育ててください!」と飯塚さんを激励した多田でした。
(minto)
 
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2022年06月02日07時42分~抜粋

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