多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

知っているようで知らない「小児外科」とは?

専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)のコーナー「健康で生きる」。

6月のテーマは「こどもの病気」です。


1日の放送分では、大同病院・小児外科部長の千馬先生が「小児外科」について解説します。
聞き手は多田しげおです。

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小児外科とは?

多田「小児外科とは、どういう分野だと思えばよろしいでしょうか?」

千馬先生「一般的には外科の中の小児グループですね」

多田「外科の中でこどもさんを扱うんですね。年齢的には何才くらいからなんでしょうか?」

千馬先生「小児外科で扱う時期は、具体的には胎児期、つまりお母さんのおなかの中にいる間に見つかるような疾患から、中学生までになります。

しかし、小さな頃に手術を行った子が高校生以上になった後も、うちの科でフォローさせていただくことも多々あります」

小児外科の特徴は…

多田「小児外科は全ての治療を行うのでしょうか?」

千馬先生「そうですね。頭、心臓、骨を除く全身の手術が必要な病気を対象にしています。

なので成人で言うと、耳鼻科、呼吸器外科、腸管や肝臓などを扱ういわゆる一般外科、泌尿器科、婦人科を小児外科では扱っていることになります」

多田「そうとなると病例はものすごく多いのではないでしょうか?」

千馬先生「意外にもそうではなく、全部集めてもそこまで多くはないんです。でも1つ1つが稀な病気が多いんです」

難しい点は?

多田「稀な病気となるとやはり難しいのでは?」

千馬先生「そうですね。一生やってても出会わないという病気もあります」

多田「小児の外科治療で大人の治療とは違って難しい点や気を使っている点はどんなところでしょうか?」

千馬先生「やはり成人と大きく違うのは、こどもは今後成長、発達していきます。

なので、手術直後の合併症を減らすのはもちろん、何十年後、死ぬまで病気のことを忘れて生きていけるような治療ができれば最高だというように思っています。

例えば、成人ではお腹に小さな穴をいくつかあけて、そこから手術をする腹腔鏡手術が盛んに行われています。

小児でも、そのような手術はどんどん普及してきていて、生まれてすぐの体重5kgにも満たないこどもにも、病気によっては小さな傷痕での手術ができるようになっています」

将来を考えて…

千馬先生「また、身体のサイズが小さいので操作は細かくなりますが、カメラで拡大して見ることができるので、そのような操作も無理なく行うことができます。

傷が小さくなることで、心理的な影響だけでなく、手術による身体的な影響も少なくすることができると考えられています。

このように、本来のこどもの成長を妨げないように、日々治療にあたっています」

多田「大人だったらその時その時で治療すればOKということですが、その子の将来まで考えた治療が必要ということですね」

千馬先生「そうですね。こどもはそこから何年、何十年と人生が続いてくので、そこに影響がないよう、より良い成長が行われること、それが大事なことだと考えています」

今回は大同病院・小児外科部長の千馬先生に「小児外科」についてお話していただきました。

来週から具体的な病気のお話、こどもの「ヘルニア」について教えていただきます。
(海野 優)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年06月01日08時13分~抜粋

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