多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

切ってもまた生えてくる!「豆苗」はなぜ再生するの?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』「愛ちゃんと田中先生」は加藤愛アナウンサーが、甲南大学の特別客員教授 農学博士の田中修先生から植物全般に関するあれこれを学ぶコーナーです。

5月26日の放送で取り上げたのは、一度切ってもまた生えてくる「豆苗」。
茎の上の部分を食べても成長する豆苗の不思議な仕組みについて、田中先生に詳しく教えてもらいました。

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植物には再生する仕組みがある

豆苗が再び成長するのは、田中先生によると「植物の仕組みに基づくこと」。

植物は、人間を含めた動物に食べられます。食べられて終わりではまずいため、その部分を作り直す、再生するという仕組みがあります。

この性質に基づいて、豆苗は2回収穫ができるのです。

田中先生に「豆苗の姿を思い出してください」と言われて、「ニョニョニョニョニョ!と上に向かって生えてますね」と加藤。

茎の一番上にある芽は「頂芽(ちょうが)」と呼ばれています。

成長するのは頂芽だけ

芽は頂芽だけではありません。芽は葉っぱの付け根にも必ずあり、これを「わき芽(め)」と呼びます。頂芽は1つですが、わき芽は何個もあります。

わき芽は成長せず、頂芽だけがグングン上に伸びます。これはどんな植物でも同じです。

たとえばあさがおはツルが伸び、ひまわりは背が伸びる。この植物の性質を「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」と呼びます。

田中先生「これは絶対覚えてください。植物がきちんとわきまえている性質です」

出世するわき芽

豆苗は上の方の茎を切ると頂芽がなくなります。しかし豆苗の下の方には小さい葉っぱがついて、その葉っぱの付け根にはわき芽が準備されています。

頂芽がなくなると、わき芽は頂芽に変わるのです。

田中先生「えらくなるんですよね、芽として。そしたら頂芽優勢でその芽が伸びてきて、ちゃんと戻るというわけです」

動物に食べられたとしても、下に葉っぱと芽があるかぎり、植物は「頂芽優勢」で自分の体を再生していく力・性質・仕組みがあるのです。

植物の性質を人間が利用している

田中先生「ちょっとぐらい動物に食べられてもいいわと思って生きているっていう性質です。それを人間が利用しているのが豆苗です」

加藤「植物って強いですね」

田中先生「地球上すべての動物を養ってるんでね。『絶対食べられないでおこう』と思っていたのでは、全部の動物が死んでしまうし。植物はそんなにひどいことは望んでないんですよ。自分の花粉を運んでもらう、種も食べてもらってフンとして撒いてもらったら自分が動き回ることなく、新しく生育地を獲得することができますよね」

植物がこのような性質を備えているのは、植物自身のためでもあるというわけです。

人間の世界も同じ

この性質は豆苗だけでなく、ほとんど全部の植物にあります。たとえばシソの葉や春菊は収穫してもすぐに生えてきます。

田中先生「植木屋さんが綺麗に剪定しても、すぐ枝と芽が出てくる。あれはすべて頂芽優勢という性質で。頂芽がなくなったらわき芽が『自分の番だ』と思って表舞台に出てくるんです」

刈っても刈ってもすぐに生えてくる雑草も同じ。

加藤「考えてみると、頂芽優勢って世の中のいたるところにありますね!」

田中先生「そうですね。人間の世界でも狙ってる人もいるかもわからんしね」

この田中先生の言葉に、深く感じ入った様子の多田しげお。

「トップがいなくなれば必ず次を狙うものが出てくる。豆苗の世界だけでなく、人の世界も同じかもですね」と、しみじみと語った多田でした。
(minto)
 
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2022年05月26日08時31分~抜粋

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