多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

バイデン米大統領、来日の目的は?

5月22日の夕方、バイデン米大統領が来日しました。
先に韓国を訪問し、中国に向かわないとのことですが、その目的は何でしょうか。

23日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が説明します。

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来日の目的は?

バイデン大統領の日本における活動は、中国に対して日本、韓国と結束してあたるとか、Quad(クアッド)という、日、米、オーストラリア、インドの4カ国での首脳会議を開くとか、また、IPEF(アイペフ)という経済的な枠組みを日本で立ち上げを表明するなど、いろいろあります。

まず対中国を念頭において、日本、韓国と結束する意味は?

石塚「今もアメリカにとっては唯一最大の強豪国は中国しかないです。そういう意識は強いです。

その中国が経済で対立しているだけではなくなってきました。南シナ海、東シナ海にどんどん出てくる、軍事的に拡大の政策をとってきています。これを何とか抑えたい。

いまアメリカはウクライナに一生懸命お金をつぎこんでいます。だけど、アジアも忘れてないというアピールは重要なポイントです」

これまでの東アジアへの外遊に中国は欠かせない国でした。
今回の行程に中国は含まれていません。「これもアピールの表われ」と言う石塚委員。

拡大抑止とは?

今回の訪日にまつわり、ニュースで「拡大抑止」という言葉が聞かれます。
これはどういう意味なのでしょうか。

石塚「アメリカは核も通常兵器もかなり持っています。アジアの同盟国に手出しすると怖いよ。私たちはこういうものを持っているから、日本に何かしたら、我々は全面的に戦うことになるよ。気をつけなさいよ、というのが拡大抑止です」

中国に対して、日本、韓国と結束しているというアピールです。

アイペフとは

先にも触れた「アイペフ」とは、「IPEF=インド太平洋経済枠組み」のことで、「Indo-Pacific Economic Framework」の頭文字をつなげたものです。

石塚「経済に対しても実は『安全保障』という言葉を使うわけです。『経済における安全保障』とか言います。

アメリカはTPPを抜けました。今回のアイペフはアメリカが主導して、みんなで組みませんか…これは中国を大変意識しています。

例えばサプライチェーン、部品などの供給網で中国に対抗するには、普段からネットワークを構築しておいて、安定的に半導体にしても、部品にしてもきちんと確保できるようなネットワークを作っておかないといけない。

韓国では半導体の工場をまず視察しました。
半導体を一番きちんと注文に応じて作ってくれるのは、世界では台湾です。しかし、いま中国との関係で微妙。次は韓国です。ということで韓国としっかり握っておこうということです」

対中国

アイペフという新しい経済枠組みに日本も参加することになりました。
これをわざわざ、日本で、東京でそれを表明する意図は何でしょうか?

石塚「演出ですね。アジアはとても大事なので。対中国をすごく意識しています。

韓国も前の政権よりは、日本と仲良くしたいという意識です。岸田政権も仲良くしたい。バイデン大統領、アメリカも北朝鮮、中国と渡り合うには、日本と韓国が喧嘩していてどうするんですかということは言っています」

クワッドとは?

もうひとつ、Quad=クワッドとは、日本、米国、オーストラリア、インドの首脳や外相による安全保障や経済を協議する枠組みのことです。この目的は何でしょうか。

石塚「クワッドそのものも中国を意識しています。太平洋、インド洋にある4か国が協力すると強いよねということです」

中国が国際的に大きな脅威になっていることを改めて示している、今回の訪日です。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年05月23日07時22分~抜粋

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